何がそんなことに仕向ける要因になったのか知らないのだけれど、夜23時頃になると急に眠くなり、そのままころりと寝付いた。以前に比べると何故かラジオやテレビの日曜日から月曜日にかけての時間帯に放送をしている局が一斉に増えたような気がするのである。そんなラジオを耳にしながら寝たはずだったのだが、気がつくと午前3時に猫が耳元で「餌がありましぇ〜ん」となく。餌を出してやってみると、自分も何となく眠れない。どうも最近は一度目が覚めると次に寝るという状況に移行するまでに何かを書いて、何かを食べないとダメらしい。そこでまたラジオをつけてみるとなんだかTBSラジオで何人かの若い、それでいて知識豊富な(何も若いと知識が少ないと決まったものではないのだけれど)、形而上的な語句をぱっぱとちりばめながら素晴らしい反射神経で語り続ける何人かの男性の話し声がひきもきらず、ややっと眼が覚めた。これはいったい何やらんとウェブ頁を見ると「文化系トークラジオ、Life 社会評論&サブカルチャー」と書いてあって今回のテーマは「若者文化(ユースカルチャー)」というのである。バックナンバーもネット上で聴くことができるようだ。土曜日にやっていたらしいなぁ、全然知らなかった。今の若い人たちはこんなに熱く語っていたりするのかとビックリしたんだなぁ、実は。みんなもっと覚めているのかと思ったのだ。そりゃあんたの決めつけなんだよという声があっちからもこっちからも聞こえてくるのかも知らんよ。語っている人たちのほとんどが私たちの子ども世代なのかも知れない。ちょろっとググったら社会学者やら編集者やら活きの良い人たちばかりじゃないか。猫に感謝。
皆さんのお話を聴いていてふと想い出したんだけれど、そういえば高校生の時代・・ってのはつまり1960年代の中頃になるのだけれど、SFマガジンという雑誌に手を出していた時期があって、アシモフがどうとか、ヨーロッパ系がどうとかそんなものに埋まっていたことがある。そんなものをとっくにぼっかりと一部、なんてものではなくて、どっかりとどこかに放り投げてしまっているのだ。そういえば、あの時点を最後にして私はそれ以降に小説というジャンルに興味を向けなくなっているような気がするのだ。なんでそんなことになったのか全然突き詰める気もなんにもなかったのだけれども、どうも今になってみるとだんだん足を踏み入れていって見るとだんだんと自分が取り付けないものにぶち当たって、結果として多分放り出した、ということなんじゃないかと思うようになってきた。
夕方になって、友人のお父上の通夜に行く。それほど暑くはない今日だったけれど、本当に久しぶりに着たスーツは甚だ慣れないものであった。そういえばスーツをユニフォームとする生活から足を洗ってからというもの、すでに9年目となる。
故人はフランス語の研究者だったそうで、フランス語フランス文学会の会長まで務められたということで著名な方だったようだ。何人かかつてお目にかかった方にもすれ違った。享年85歳だそうで、うちの死んだオヤジもそんな歳だったなぁと想い出した。