ほぼ足りてまだ欲 その先

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紅葉を愛でるの記

 眼が覚めると快晴である。慌てて温泉に飛び込み、三度目の入浴を果たす。朝食バフェをしっかりととり、フロントで忘れ物はないかと確認すると、冷蔵庫に蒲鉾を入れっぱなしなのに気付き、とって返す。多少の遅れを取り替えさんとロープウェイの山麓駅に急ぐ。6人同行者が居るはずなのに、決められた時間までに若い二人組が来ない。ロビーにいたことを告げると係りの人は走り出す。すれ違いにその二人がやってくる。君たちを探しに行ったよ、というとあぁ走っていましたね、という。それはないだろう。
 ロープウェイで上がり、そこからゴンドラに乗り換える。途中までは眼下に紅葉が広がるのが見えて、山頂の紅葉に期待するが、到着してみると霧の中である。残念ながら真っ白だ。同行の方が『晴れ男なのになぁ』と仰るので、『申し訳ないが私が雨男である』旨白状する。しかし、途中でうっすらと見え始め、霧が流れて大いに見え、あたりの人たちが歓声をあげる。
 わずかに写真に収め、急いで下山するがようやくギリギリ集合時間に間に合う。降りてくる途中で山頂駅を眺めると、やや、綺麗に霧が晴れる。これだけ青天なんだから我慢、我慢。眼下に広がる紅葉は朝日に光って見事である。
 エコーライン、ハイラインを経由してお釜に至る。お釜そのものは白根山のお釜とうり二つであるが、人混みの駐車場から見下ろす紅葉にまた感嘆の声を上げる。
 宮城側に降り、松島に至る。前回訪問叶わなかった円通寺に入りのんびりと庭を観賞する。とても綺麗なもので、その一角には支倉常長が持ち帰ったといわれるバラが植えられたといわれる英国風庭園まである。本堂は簡素な茅葺きで、その仏壇は地方の大きな農家だったらこれくらいの仏間は持っているだろうと思われる程度のものだけれど、それがここにはふさわしい。ここには縁結びの観音様があって、結ばれたい人を書いた小さなこけしを奉納するのだそうだ。
 前回もお土産に持ち帰った松島紅連を入手。その儚いパリッとしたところがなんともいえない。