ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

栗本鐵工所の罪

 栗本鉄工所が橋梁用のRC床の軽量化のための空間を確保するための型枠に使うパイプの板厚を最大で0.4mm薄いものを使っていた、それも何と40年間だという。要するにそれだけ水増し請求して儲けていたということだ。しかし、これはあくまでもコンクリート製の上部構造を現場で作る際に空洞を作るための型枠で、建物で云えばコンクリートが固まった後で外す合板の板と同じ用途で使われている。だから、考えてみても分かるけれどコンクリート製の橋の床となる構造の強度そのものには全くなんの関係もない。だから、橋9000ヶ所を全部点検するなんて無駄なことをしても意味はない。もし、関係があるとしたら、コンクリートの鋳込みの際にこのパイプが内側に大きく変形してしまい、コンクリートが計算以上に大量に必要となり、重くなることによって過重計算以上の重量となった場合である。しかし、圧力を掛けるわけでもないからその可能性は相当に低いと考え得る。
 今回の型枠パイプは鋳鉄管ではないけれど、栗本鉄工所をはじめとする鋳鉄管業界というのは、久保田鉄工、日本鋳鉄管の三社でほとんどのシェアを占めていて、これまでも様々なことで問題を起こしているものだからイメージが良くないことは確か。もちろんそれだけの長い期間平然と板厚の足りない部材を納入し続けた企業の姿勢そのものは考えられないほどの鈍感さだと云って良いだろう。しかし、非科学的なところでこの件を語る、マスコミの知っていながらの愚鈍な追求姿勢は実に嘆かわしい。マスコミ社会部のこうした傾向というのはどうして何十年も変わらないのだろうか。こっちの方もチェックが必要だろう。