ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

譲る理由

 行きの地下鉄の中が比較的空いていたので、乗るとすぐに私は席を得て本を拡げていた。次の駅で左の目の端で明らかに私よりも歳上だと確信する女性が2人ほど挟んだ向こうの席に座ったのが見えていた。そのまた次の駅でひょっとすると私よりも歳上だけれども10歳も上ではないだろうという男性が乗ってきたが満席で彼は吊革に掴まった。すると、その女性が立ち上がってその男性に席を譲るのだった。え!?その男性も驚いたけれど、私も驚いた。その男性は見るからに立っているのが辛い、という風情ではないのだ。だから彼は当然辞退する。にもかかわらず彼女は2-3度のやりとりを経て立つ。そしてその次の駅で彼女は空いた席を得た。その女性の意図は一体なんだろう。周りの座っている乗客に高齢者に席を譲るべきだ、といいたかったのだろうか。それにしても私には不可解だった。あ、これだけで彼女は役割を果たしたといって良いのか。ここに一人考えた人間が居るんだから。そうか、それで良いんだ。