ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

学校に行く

 水曜日なので学校に行く。天気が良く、吹き渡る風がようやく薫風という感じだなぁと思いながら歩き出すとあっという間に、いやこれはもう夏じゃないのかと思ったが、乾燥している様で、汗をだらだらかくことがない。教室のカーテンがそよぐ様が涼しげである。先生は相変わらず懇切丁寧にご説明になる。Immanuel Wallersteinの名前が出てくる。なるほど、社会学部の学生はこういう具合にこうした「世界システム論」なんかを知る訳なのかと感じ入る。結構気軽な感じで足を踏み入れてみたけれど、こりゃ生半可な気持ちでは無理かも知れないぞ。
 ウタリ協会の話が出る。

 北海道ウタリ協会(約3,500人)は、来年4月から名称を「北海道アイヌ協会」に変更することを決めた。長く差別されてきた「アイヌ」という民族呼称への拒否感が薄れたことに加え、昨年9月、国連総会で「先住民族の権利に関する宣言」が採択されたのを受け、アイヌ先住民族と認めていない政府に方針転換を迫る狙い(毎日新聞 2008年5月18日 東京朝刊)

 日本政府は未だにアイヌを日本の先住民として認知していない。それを認めれば先住民の権利を認めなくてはならないからだ。しかし、それも早晩そんなことをいっていられない時代がやってくるに違いない。それでも日本政府は国連のいうことすら聞かない。自衛隊派遣であればすぐに国連のいうことを聞くにもかかわらずである。

アイヌ民族との対話勧告 国連人権理事会 政府に 先住民族認知で(北海道新聞 080520 07:03)
 日本政府が国連人権理事会による人権状況の審査で、「先住民族の権利に関する国連宣言」の国内適用に向けて、アイヌ民族と対話するよう勧告されたことが、19日明らかになった。
 政府は国連宣言に定義がないことを理由に、「アイヌ民族が宣言にいう先住民族かどうか結論を下せる状況にない」(福田康夫首相)との見解をとっており、この勧告への対応が注目される。
 審査は、4月から新たに始まった「普遍的定期審査」と呼ばれる制度。日本は今月9日、スイス・ジュネーブで開かれた第二回作業部会で対象になった。
 同部会にスタッフを派遣している国際人権NGO(非政府組織)「反差別国際運動」(東京)によると、アイヌ民族との対話を求めたのは中米グアテマラ。道ウタリ協会が道知事、道議会とともに、政府に対し、審議機関の設置を要求していることを受けたものとみられる。北アフリカアルジェリアも「アイヌ民族の土地に対する権利など諸権利をあらためて吟味し、国連宣言の内容と一致させること」を求めた。
 これらの内容は14日、在日韓国・朝鮮人、外国人、女性などに関する勧告と合わせ、審査報告書として作業部会で採択された。
 外務省によると、政府は6月2日から始まる次回の人権理事会で、勧告を受け入れるかどうか表明する。
 政府は憲法との整合性などから、アイヌ民族を「先住民族」と認めておらず、先住民族の権利を網羅した国連宣言そのものの国内実施も、考慮しない姿勢を取っている。道ウタリ協会の加藤忠理事長は「超党派の国会議員連盟が『先住民族の認知』をうたう国会決議をめざしているなか、人権理事会の勧告は大変心強い。政府は勧告を誠実に受け止めてほしい」と話している。

図書館

 先週借り出した編集グループの刊行物から「手放せない記憶 ー私が考える場所ー」鶴見俊輔小田実の対談を借り出す。小田実がまえがきに「非暴力の刀を差さない心、精神」という言葉を書いている。どうやら次は「随論 日本人の精神」(筑摩書房2004)を読むことになりそうなり。日本軍が重慶空爆した作戦から今度は米軍が日本の各都市を焼夷弾を使って無差別爆撃をした。この作戦の実行者はカーティス・ルメイだったことは知られている。そして日本は1964年に来日した時に航空自衛隊の創設に尽力があったとして彼に勲一等旭日大授章を進呈したことも知っていた。その三ヶ月後にベトナム北爆を実施したのがそのカーティス・ルメイであったことを知らなかったけれど、この本の最初に小田実がいっている。

久しぶりにお会いする

 4年前にお世話になって「ブログ」なるものを教えてくださった方が雑誌「情況」1998年12月号を貸してくださる。特集が「終わらぬ戦後 現代の争点」である。やはりこれもまた私が日本を留守にしていた間に発行されている。
 1年半前までお世話になっていた方がどうやら異動になっていて“あそこが事務所になっているらしい”という話を聞いたのでそこの扉を開けようとすると、偶然にもご本人が中から出てきたところで、「やぁ、やぁ」と隣の喫茶店に入って近況を報告する。お互いの猫の話にもなり、わが家の別れと遭遇についても報告する。駅に向かう途中でお世話になった先生に追いつく。ご両親の介護に苦心しておられるという。
 今日はあっという間に何人もの方にお会いしたのでめまぐるしかったなぁ。