ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新日本製鐵

 日本の製鉄業のダントツトップメーカーが自社のウェブ・サイトに掲載した、今回の火災事故に関する項目。

 八幡製鉄所における火災及び設備の稼動状況について 2008/07/30
昨日発生致しました八幡製鉄所の石炭運送用ベルトコンベアー及びコークスガス配管での火災の件につきましては、地域、関係者の皆様には多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりまして、深くお詫び申し上げます。
現在、社をあげて早期復旧に取り組んでおりますので何卒よろしくお願いいたします。
火災、設備稼動状況等につきまして、以下のとおりご報告いたします。
・今回の火災による人的被害はございません。
・地域の皆様の健康に悪影響を与えるガス等の検出はございません。
・火災の発生に伴い、昨日午前11時36分より休風しておりました第4高炉は、本日7時26分送風を再開し、8時58分から出銑を再開しております。高炉以外の生産設備につきましても稼動を再開しております。但し、コークス炉につきましては、現在も稼動を停止しており、引き続き復旧に向け全力を尽くしてまいります。
 再稼動の時期は未定であります。
・設備の一時休止に伴う生産・出荷への影響、損害額等については、現在、精査中です。
・火災は、現在沈静化しつつあります。    以 上
お問い合わせ先:広報センター ℡03-3275-5021.5022.5023    以上

 揚げ足をとるようだけれど、その後鎮火しているのかいないのか、追加情報は公開されていない。上記の文章を読むと自社構内での「人的被害はない」と読める。地域に悪影響を与えるガスは検出されていないというけれど、黒煙は蔓延したはずであり、今この時点で本当にすべてチェックし終えているというのかという点で疑問は残る。
 製鉄設備は高炉も含めて一端操業を停止し、設備が冷えてしまうとそのままでは操業が再開できなくなって大変な損害を生じる。神戸地震の際に、神戸製鋼がそれで相当な苦労を強いられたことは記憶に新しい。しかし、同じ構内にあるコークス炉(確かに数百メートル離れている)が鎮火する前から操業してしまうことについて何ら危険がないのかどうかという点についてはマスコミも検証しないし、新日鐵も説明していない。大きい会社だからいうことには間違いはないという前提のマスコミ対応なんだろうか。
 どうやらコークス炉は致命的なダメージを受けていそうで高炉の操業に見合うコークスの供給の手配にさぞ追われていることだろうと思うが、マスコミは全くといって良いほど本件に関する報道から手を引いてしまったかのごとくである。株価は上昇カーブにいたが、緩やかに下げていっている。