昨日うちの連れ合いが準備していたのは土鍋一杯のおでんだった。なにしろ私は練り物が大好きで、練り物さえあれば食生活が豊かだという気がすると云うくらいのものだ。だから鍋一杯に広がる練り物の山を前にすると思わず声が出る。寒いときにはこうしたおでんがぴったりだ。昨日はご飯がきちっと炊けたものだからちょっと堅めだったけれど、こういうおでんを食べるとその汁を軟らかいご飯にぶっかけて食べたくなる。「お里が知れる」といってあんまりやらせてもらえなかった子ども時分と違って今は好き勝手な年代になったからといって連れ合いは私の前で堂々と汁を掛けてかっ込む。私はといえばそれをおじやにするのが好きなのである。人に見られるといやがられるかも知れないが、それはもうずるずるのおじやにして最後はたまごでとじてしまいたい。昨日のは大根もそれはそれは旨く煮えていた。
