ほぼ足りてまだ欲 その先

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プリズン

 東京裁判A級戦犯として巣鴨に収監されていたもののだらだらと弁護団が引き延ばした挙げ句に東西冷戦に突入して連合国の誰もがもうやる気を失って、ついに釈放された人たちの中には昭和の妖怪(いやむしろ醜怪とでもいおうか)・岸信介の他にロッキード事件でその存在を再認識させた児玉誉士夫、「八紘一宇」を「世界は一家・人類は皆兄弟」と読み替えた笹川良一がいる。
 先日ひょんな事で、ある本を読んでいたら児玉と笹川が収監されたときの写真が掲載されていた。米国のドラマに出てくる刑務所で最初に番号札を持たされて映される、まさにあの写真なんだけれど、このふたりの写真がそれはそれは恐ろしい顔をしているのだった。そして笹川良一が「軍艦マーチ」に送られて“志願して戦犯となった" と称する表向きと、尋問記録に見る彼の態度の落差をもっともっと以前に知っておきたかったと痛切に思ったのだ。知らないということはとんでもないことで、罪をつくる。
 こうしてみると戦後60年以上もすでに経過しているというのに、当時のそんなだまし討ちのような混乱社会が今でも綿綿と続いていることに驚きを禁じ得ない。やっぱりどんなに頼りにならないとしても、野党に一度はイニシアティブを渡すことは必要だと思うし、それを逡巡していたら私たちの社会は、近い、遠いに関係なく将来に変革なんて事が起きるとは思えない。小手先での「言葉」に簡単に騙されてしまっていたんじゃいつまで経っても変わらない。「ぶっ壊す!」に騙されてしまってあれからいったい何年経ったというのか。何も前に進んでいないじゃないか。