ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

たまには

 寒い寒いと天気予報がいったけれど、昨日の暖かさが残っているのかそれ程寒さを感じない。たまにはなにか外で昼食にしたいなぁと思っていたものだから出かけてみた。
 浅草は今日まで「羽子板市」なんだそうで仲見世は横切るのがちょっと面倒なくらいに人は出ていたけれど、食べ物屋さんにはさすがに週末のように並んでいるわけではなさそうだった。尤も天麩羅の大黒家の前はいつものように人が並んでいる。別館に行ったら多分並んでいなかっただろうけれど、皆さんどうせなら角の店で食べたいらしくて、そっちに並んでいる。オレンジ通りにはなんだか変わったデコレーションができている。よく見ると大黒家の前に出ている提灯に「雷門 大黒家」と書いてある。あそこは普通雷門とは呼ばないけれど、なんかいわれがあるのかも知れないと思ってウェブサイトを見たけれど、それは書いてない。なんだか最近の浅草の中心部は人手に週末と平日の区別がないなぁ、と思ったら週末だったら必ず外に人が立っているラーメンの「よろゐや(今はなき実家のテーラーが鎧屋という名前だった)」には人は立っていない。
 食い物を決めて出たものだから銀座に到達しても地下から上がったらまっしぐらなんだけれど、あまりの人手にびっくりした。平日だというのに。多分外国からの観光客も結構いるんだろうとは思うけれど、平日の昼とは思えないほどだ。

 右の写真は浅草・大黒屋の天丼ではなく、銀座天一の天丼。松坂屋の地下一階に鮨屋、トンカツ屋なんかと並んでいる「天一」に入って天丼を頼む。ここはカウンターに10席ほどあるだけでいつもせいぜい二人連れ、殆どの人がひとりで暖簾をくぐってくる。だから原則として話し声はほとんどないし、皆さん、黙々とお食べになるからいつも静かだ。人の気配が消えてしまって静かになっているわけではなくて、ひょっとすると聞き耳だけは立てていそうである。先着のお客さんは4人だけれど、一番奥に2歳になるくらいの子どもを抱えたとても若い夫婦が天丼を食べている。その夫婦はここにこのメンバーで入ったのは多分初めてかも知れない。ひょっとすると結婚前に昼飯を良くここで食べたので知っているのかも知れない。この二人連れはどちらかが食べるとぺちゃくちゃと音を立てる。普通の店だったら気がつかないかも知れないけれど、ここではあまりにも静かなのですぐにわかってしまう。食べ終わったときの器や箸を見ると本当に今の人なんだなぁと思う。
 この二人も殆ど喋らないし、ひょっとすると外国人のカップルかと思ったらお代を払う段になったら日本語だった。この頃は東アジア人の皆さんは区別がつかない。私が舌鼓を打っているところに中年のご夫婦が入ってきた。ようやく静寂が乱れた。
 松坂屋の地下一階にはいつ行っても待っているお客の足が途切れない、「キッチン・スギモト」がある。とにかくいつ行っても人が待っている。通常私はここに入ってくるときは腹ぺこだから待てない。いつになったらあそこで飯が食えるだろう。「黒毛和牛すき重:税込525円」はやっぱり魅力だもの。帰りに階段から覗いたら「万惣フルーツパーラー」で窓際に座っておられた二組三人の女性が三人とも「万惣フルーツパフェ 税込1,050円」を抱え込んで楽しそうだった。私にはとても手が出ない。
 一気にブックセンターに行こうと思ったけれど、教文館に入ってみたら目的の本が見つかった。

東京裁判における通訳

東京裁判における通訳

  • 東京裁判における通訳」著者がスペインの大学で書いた博士論文を基に書き起こしたという面白い視点から見た東京裁判関連書。通訳に関しては疑問に思っていたところだったから読んでみたいと思っていた。それにしても戸谷由麻の大書「東京裁判」(みすず書房 2008.08)もそうだけれど若い研究者がこの分野を掘っているのが目立つ。山崎豊子の「二つの祖国」でも取り上げられた伊丹明もこの本の中で言及されている。

岸信介―権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 (368))

岸信介―権勢の政治家 (岩波新書 新赤版 (368))

  • 岸信介」この著者は同じく岩波新書から「吉田茂」を出している東京国際大の先生である。ずっと前に出ていたのは知っている。しかし、著者のスタンスがいまいちわからなくて、手にしなかった。しかし、今回どんな切り口でも良いからざっと読んでみたくなった。岸も同じく獄中日記を残しているのだそうだ。

歴史和解と泰緬鉄道 英国人捕虜が描いた収容所の真実 (朝日選書)

歴史和解と泰緬鉄道 英国人捕虜が描いた収容所の真実 (朝日選書)

  • 「歴史和解と泰緬鉄道」中公新書から第27回石橋湛山賞を受けた「戦後和解」を出した小菅信子が加わっていることが興味をひいて手にした。日本軍の捕虜として泰緬鉄道での強制労働に従事させられたイギリス人が残した芸術性の高い、それでいて題材は悲惨な何枚もの絵を含んだ手記の翻訳である。翻訳はICU出身の翻訳家・根本尚美。最後に小菅と慶応大出身韓国世宋大・朴裕河ICU出身上智大の根本敬の三人による鼎談「泰緬鉄道とアジア」が収録されている。小菅は上智大出身で現山梨学院大

 京橋から友人に電話をしてみるとエクセルの住所録からのラベル印刷の方法がわからないというので、そのまま上がり込み、1000件のラベルを印刷完了して辞する。帰り道で馬生師匠と行き会い、今月29日の鈴本での鹿芝居、年明け11日の国立博物館での一門落語会のちらしを戴く。国立演芸場での鹿芝居はやっぱり来年も2月の由。今度の演し物はなんだろう。