ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

新春浅草歌舞伎

 この浅草公会堂の歌舞伎も今年で10年になるらしい。
 毎年正月は浅草公会堂の三階席で昼・夜を通しで見てしまう。松竹の良い点は歌舞伎から映画までネットで切符が買えてしまうところだろうか。
 もちろん昼の部が終わったら一度出なくてはならなくて、一番てっぺんから下まで降りて、どこかで小一時間を潰してまた一番てっぺんまで登って行かなくてはならないところだ。エレベーターが一基しかないものだから「ヨイショ、ヨイショ」といいながら一段一段上がっていく。
 昼の部は後ろから三列目。夜の部は後ろから二列目。昼の方は少しだけ空席があったけれど、夜の方は満席だった。さすがに三階席は平均年齢が低い。尤も「京鹿子娘道成寺」で客席に投げられた手ぬぐいは全くの話二階席や三階席には届かないわけで、そりゃたくさん払った人たちの許に届けられるということになるのは仕方がない。
 三階席は来週平日ならまだあいていそう。

昼の部
「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」
一條大蔵卿:市川亀治郎常盤御前中村七之助、吉岡鬼次郎:中村勘太郎、女房お京:尾上松也、八剣勘解由:中村亀鶴、播磨大掾広盛:市川男女蔵
「新古演劇十種の内 土蜘(つちぐも)」
僧智籌実は土蜘の精:中村勘太郎、平井保昌:中村亀鶴源頼光尾上松也、侍女胡蝶:中村七之助
夜の部
「一本刀土俵入(いっぽんがたなどひょういり)」
駒形茂兵衛:中村勘太郎、波一里儀十:市川男女蔵、船印彫師辰三郎:尾上松也、堀下根吉:中村亀鶴、お蔦:市川亀治郎
京鹿子娘道成寺(きょうかのこむすめどうじょうじ)」
白拍子花子:中村七之助、所化:市川亀治郎、所化:尾上松也

 一條大蔵卿の亀治郎は大活躍。これははまり役だろうと思うなぁ。いやいや、結構。志村のバカ殿やナベアツの「サンッ!」はこれが元ネタじゃないかと思った次第。

 「一本刀土俵入」は先代の勘三郎で何度か見たことがあるような記憶があるが、長谷川伸新国劇十八番は、さすがに若者たちでは如何なものかという気がしたなぁ。と、いいながら壺のところでは思わず感動。ここでも亀治郎は巧いなぁといってしまった。人気が出るのは当たり前か。
 それにしても時代考証からいったらこの時代、横綱という位はなかったんじゃないだろうか。最高位は大関だったと。