ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

時間の幅

 時間というものはどこにいても同じ速度で同じように定間隔で刻まれているので、川の向こうとこっちは同じように時間が過ぎていく・・・・筈だ。
 ところがどうしても不思議なことに、どこにいるのかによってその速度の幅が違うような気がする。
 例えば同じ一年、365日、8760時間、525,600分、31,536,000秒なのに、その一秒の長さがあっちとこっちでは違うんじゃないかという気がするのだ。だからあっちからこっちに移ってきても経過している一年は一年で同じなのに実は自身が感じている時間的長さが違うんじゃないだろうか。
 若いときには夏休みの40日くらいの期間がなんだかとんでもなく長期間にわたる気がしていたのに、仕事をし出してみると40日間の期限なんてあっという間に締め切りが来ちゃって、最後はバタバタしていたような気がするし、今なんて4月の頭に桜が咲き始めたようだぞと慌てた気分になったのはつい昨日や今日のような気がするのに、あっという間に通り過ぎていっている。
 これはどう考えても同じ単位で語ってはいるものの、その単位の幅が違っているに相違ない。
 まだ赤子の長男と連れ合いを東京の下町で、ローンの返済を始めたばかりの小さな集合住宅において、自分が砂漠のど真ん中に暮らしていたあの半年なんてまさにその象徴のような日々で、今から考えたらたかだか半年に過ぎないのに、なんだかとんでもなく長い間あの360度地平線の砂漠に暮らしていたような気がする。あんな日々はそこで暮らしてきた奴じゃなきゃわからないんだ、と思っていたけれど、そんなところに最近観光旅行のパックがあって、それで遊びにいった人の話を聞くとなんだか横っ面を張り飛ばされたような気がする。