ほぼ足りてまだ欲 その先

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漢検

スカーフの輸入、ゲームセンター、料理教室、学習塾−−。大久保容疑者は事業の手を広げた。塾の先生のアイデアで始めた漢検の第1回(1975年)受検者は672人。「事業は赤字続きで、市内にあった先祖代々の土地を売って穴埋めしていた。大久保さんの『私財をなげうった』という言葉は本当だ」と知人は言う。「結局、成功したのは漢字だけだった」(毎日新聞 2009年5月20日 東京朝刊)

 私財をなげうったのは間違いないだろう。商売を始めるときには誰も彼もそれが借金という原資かも知れないけれど、確かに私財をもとに始める。たったひとりが拠出したものか、システムにのっとって多数の人間から集めたものかも知れないけれど、それでもそれは誰かしらの私財から始まる。なにも大久保昇だけの話じゃない。
 彼が間違ったのはとにかく目先の税金を惜しむあまりに、そしてそれが検定の格上げを実現すると財団法人化の道を歩んだことだけだ。これが株式会社が実施していたのであれば、いくらその上がりをポケットに突っ込んだとしても誰からも文句は出ないだろう。その結果受検者が増えなかったとしてもだ。
 つまびらかにされなかったとはいえ、名前を連ねていた多くの著名名目だけ理事のみなさん、そして所管の文部科学省には大変に大きな責任があるといって良さそうだ。・・・一体何やってたんだよ。