ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

忘れないで、わたしたちの戦争 〜中居正広が聞く戦場の声〜

 この番組は若い人たちに「聞かせる」というものだったのだろうか。私はスタジオに来ていた若い人たちから直接三人のスピーカーに対して質問や議論があるんだと思っていた。時間の割に提示しようとするテーマが盛りだくさんで、わずかに中居が「当時の若い人たちが殆ど戦争に否定的でないのに驚いた」という発言に五木が「驚いた」という場面が印象的だっただけだった。
 これでは若い人たちをわざわざスタジオに座らせていた意味がわからない。これまでの「兵士の証言」と「市民の証言」の延長線上においているにすぎないのではないかという印象を持った。どうせなら、なぜこんなことになってしまうのか、なんでそうした日本人のメンタリティー、あるいはものの考え方が殆ど変わらないのか、あの当時のものの考えを今でも賛美する人たちが存在し、主張し続けることになるのか、という点を議論しなくては意味がないような気がする。
 折角NHKが10月12日までという限定をしてはいるものの、多くの資料をウェブ上で提供しているのだから、より突っ込んだ番組にしてほしいと思うのだけれど、やっぱりある線を越える事がなかなかできないという事なのだろうか。それは一体どこに要因があるのだろうか。
 ここから私たちの憲法九条がどんな意味を持つのかというところまで踏み込んでいきたいものだ。

 当時の従軍兵だった人が「大した戦争だよ、あれは」と批判的にいっていたのが忘れられない。
 もうおひとりは突撃を何度も敢行させた小隊長で、あぁして何人もの部下を死に至らしめたのに、この私が生きて帰って遊んでいたら申し訳がないと引き上げ後ずっと家から出ずに人生を全うしてしまった、というのには言葉がなかった。