ほぼ足りてまだ欲 その先

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八ッ場 ヒ素

 八ッ場ダム建設に反対していた「八ッ場あしたの会」が以前から吾妻川流域のヒ素について警告していたが、その根拠は一体どこにあるのかわからない、と私は書いた(こちら)。
 そうしたらこんな記事が出ている。

八ツ場ダム上下流ヒ素 1994年度から環境基準超える
 国土交通省が八ツ場ダム(群馬県)建設予定地のある吾妻川などで水質調査を実施し、支流から環境基準を超えるヒ素を1994年度から継続して検出していたことが13日、分かった。八ツ場ダム上流にある温泉や鉱山から流入していた。国交省は公表しなかった理由について「取水しておらず、健康被害が出る恐れはなかった。9月に水質データなどを盛り込んだ報告書を公表する予定だったが、政権交代でダム建設中止の方針が示され、先送りしていた」と説明している。
 河川のヒ素の環境基準は1リットル当たり0.05ミリグラムだったが、1994年度から0.01ミリグラムに強化された。水質調査は1976年度に開始。2007年度は計17カ所で測定し、5カ所で基準の1.3〜100倍のヒ素を検出した。うち4カ所はダム予定地の約10キロ上流付近。残る1カ所は予定地の下流だが、取水地点からは離れている。ダム予定地では2000年度から調査を始め、一度も基準値を超えていないという。
2009/11/13 21:10 【共同通信

 これで根拠のない話ではなかったことがわかった。わかったのは良いけれど、「今は」取水していないから良いかもしれないけれど、ダムができたら取水する計画になっていたはずだ。これは明確に国民を騙すためにやってきたといって良いだろう。ここまで進んできた計画が大騒ぎになったら困るから隠してきたというべきだろう。ここで政権交代が起こらなかったとしたら、そのままこの水が下流域の一都六県に対して供給されていくということになったはずだ。これに対して一都六県の知事諸兄はどう反応するのだろうか。それとも、そんな程度の水の汚染は今や問題になんてならないのだ、とでも反論するのだろうか。
 酸性水を中和するために放り込んでいる石灰との化学変化で形成された沈殿物があの「品木ダム」に堆積していて、それを浚渫しているけれど、そうして取り出された物質をどの様に処分しているのだろうか。あの品木ダム近辺にはヒ素公害が発生していないのだろうか。話はそこまで行かなくてはならないのではないのだろうか。