日本には戸籍ってものがあって、出生を届けられた人たちは必ずどこかの自治体に登録されている。それに従って義務教育への就学案内がなされている。だから戸籍に載っていない子どもには地域の学校から就学案内が行かないはずだけれど、私の知識はもう相当に古いからその辺は変わってきているのかも知れない。日系人が特別枠のビザで就労している人たちがたくさんいたときには、この枠からこぼれてしまう子どもたちがいてその処遇をどうするかというのは随分話題になった。
彼等が日本に出稼ぎに来るシステムを作ったのは産業界からの強い要望に当時の政権が応えたということだ。
しかし、戸籍に載っている人の所在がそこから明らかになるかといったら、かつてに較べたら大きく事情は変わっているだろう。都会に職を求めて出掛けていった人たちのなかでどこにいったか分からなくなってしまっている人たちは少なくない。戸籍制度で国民を把握できるのかといったら今やそう簡単ではなくなってしまったといっても良いだろう。コミュニティーとのつながりがなくなってしまう人たちはそうしたシステムからもこぼれやすい。そうすると国民ひとりひとりになんらかの給付を考えるとそうした最も恩恵に携わるニーズを抱えている人たちがこぼれ落ちる。
米国のようにsocial security numberを発想することが必要なのかと思ったけれど、それでは個人情報が国家管理されるということに繋がるという。所得の捕捉もこのnumberを使うシステムにすると確実に捕捉できるようになるけれど、それでは個人の自由が制限されるという訳だ。
この問題をどう解決していくのか、という点が今後大きなポイントになるような気がする。
ペイメントを受けるときには必ずこの番号がリファーされ、支払うときにもリファーするんだと資産は完全捕捉されてしまう訳だ。清く正しいと困らないけれど、汚く不正だとこりゃ困る。その代わり税務申告も何も要らなくなる。多分息がつまるのだろうか。このデーターを横流しする奴が出るかも知れないなぁ。これは高く売れるだろう。尤も今だって全然見ず知らずの会社からセールスの電話はかかってくるし、知らない不動産屋からDMが送られてくる。出所が分からない分、今の方が管理できないか。
個人情報保護の観点から大反対されるだろうな。そうだとするとベイシック・インカムなんて無理じゃないのだろうか。きっとどこかで説明している人がいるかも知れない。勉強しなくちゃな。