ほぼ足りてまだ欲 その先

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団体ジャンプ

 長野オリンピックで団体ジャンプが金メダルを取ったのは1998年のこと。私は当時大変に残念なことに日本にいなかったのでそんなテレビを見ることができなかった。もちろん日本の新聞はちょっと遅れてきていたから金メダルを取ったことは知っていたけれど、その後聴くところによるととてつもないドラマがあの金メダルを演出した結果になったんだという。今日、ようやく私の人生の中で欠落したところを埋めることができた。
 NHK総合テレビの“スポーツ大陸 大逆転スペシャル「絆でつかんだ栄冠〜長野五輪 ジャンプ団体〜」”がそのすべてを見せてくれた。
 一本目が終わったところで日本は4位。吹雪がひどくてそこで終わりになったら日本はメダルが取れない。再開するかそこで終わりとして暫定順位を正式なものとするか、ジュリー会議が開かれる。その時の4人のジュリーは暫定順位のベスト・スリーの国の3人と開催国の日本という、合計4人という究極のメンバー。テストジャンプをして決行するかどうかを決めることになる。
 テスト・ジャンパーというのは日本のジャンプ選手の面々で、はなはだ残念ながら選手に選ばれなかった人たち。普通だったら、テンションあがらない。しかし、かれ等はどうにか無事なジャンプを飛んで見せ、二本目の実施を決定させたい。吹雪いている。飛んだらゴーグルに雪がつき、また見えない。それでも彼等は大ジャンプを次々に成功させる。誰ひとり転倒したリバランスを崩すジャンパーはいない。これだけテスト・ジャンパーが立派に飛んで見せたら再開を決定しない理由がない。
 あの逆転劇の背景には彼等の恐怖を吹き飛ばしてつなげた力があったという。

 あぁ、本当に良かった。あの時多くの日本人がテレビを見ながら流した涙を私はようやく共有することができた。ここに至るまでになんと12年もかかってしまった。