ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩

 寒くて、寒くて週の始まりは家を出るのもいやで、閉じこもっていたのだけれど、これでは足が退化して、ますます短くなってきてしまいそうだった。そこで、先日、こちらのブログにあった洋食屋さんを訪ねてランチを食べようと出掛けた。
 駒込には年に2-3回は出掛けるのだけれど、それほど歩き回っているわけではない。駅に着いてから想い出した。あ、そうだ、ここまで来るのなら王子の先輩のところに借りているものをお返しに上がればよかったと。気がついた時はもう駅だ。本郷通りに上がってくると、あれ!目の前にある大國神社の社がない。本殿が建て直されるらしくて解体が終わったところだ。ここは春になると桜が綺麗で思わず写真にしたことがある。本郷通りを北上(とはいえ坂を下る)する。
 「しもふり」の商店街を左に見てその先の霜降り橋の角に欧風料理「キャラ」があった。一瞬逡巡したのだけれど、思い切って扉を押す。もうしばらく時間が止まってしまっているようだ。中にはかすかに石油ストーブの匂いがする。それですべてが分かったような気がする。
 昼飯時ではあるけれど、店の中には私と同じくらいの年回りの女性がお一人、そしてあとからこれまた私と同じくらいな年回りの男性がお客としてこられたくらい。そしてお店の方もまた同年齢くらいの白衣の男性と女性がキッチンにおられ、その前に女性がお一人。何を戴こうか決まらないまま席に座ったのだけれど、壁の短冊を見て、即座に今年初めての牡蛎フライを注文。
 揚げる音もまな板の音も何も客席には聞こえてこないのだけれど、タルタルが小皿に載って五つの牡蛎フライが到着。これで今年の牡蛎フライに義理が果たせた。
 これまで一度も来たことのない坂をどんどん上がって古河庭園の入り口にやってくる。向かいが滝野川小学校で、その上に滝野川会館がある。このまま歩いて上中里まで行ってしまおうかと思ったのだけれど、何もここまで来て入らずにそのまま通り過ぎるのはいくらなんでもお愛想がなさ過ぎると入り口に近寄ると入園料はわずかに150円である。窓口の女性が「六義園との共通券もありますよ」と仰るけれど、その気がなく、丁重にお断りする。今の時期のお庭には薔薇の花も全くないから実に素っ気ないけれど、その分殆ど誰もいないので、静かである。昨日だったらとても寒々しい風景だったことだろう。
 南北線駒込から乗り、後楽園で丸ノ内線に乗り換え、銀座に出る。