ここのところtwitterで毎日誰かが呟いているのはこれだけ暑い日が続いているんだから、今年の夏の電力消費量はもうそれはそれはこれまでの新記録を打ち立てているに違いない、なのに、なんで電力不足が問題にならないのだろうか、というものだ。
そりゃ、なんたって、発電施設の能力が充分に余裕があるからに相違ないわけだけれど、だったら、これ以上の原子力発電所はなんで必要なんだ？いやむしろどんどん閉めていって良いんじゃないのか。閉鎖するにしたって、その炉心そのものは大変な放射能廃棄物にまみれきっているわけで、それをどう始末するというのか。そんな問題が起きるのはわかっているのに、まだ原子力発電所を建設しようとしている意図はなんだ？
それは至極簡単で、この施設を建設し続けることによって成り立つ企業や、大型建設工事を施工することによって動く金の流れがあるからに決まっている。東京湾岸道路とか、本州四国架橋とか、実はそれほど必要だったわけでもないけれど、造られてきたのもそんな理由からだということは完成してからその利用頻度を見て見れば良くわかる。あまりにも利用されないものだから国庫から補填して通行料金を安くしているくらいだ。東京湾横断道路なんて千葉、神奈川くらいの企業や観光客くらいしか利用しないのに。
ところで、「もんじゅ」という三人集まれば考えつくような名前をつけられた施設でまたなにかを落としたとかで、実験操業が止まっているらしい。もうそんなものやめて良いんだよ。放射線汚染というものがどれほどの被害を起こすのかということについてはいやというほどの犠牲者を生み出した国なんだから、その恐ろしさを嫌という程気がついているわけではないというのだろうか。「金」の前にはなんでもOKにする、というのが近代国家の証なんだろうか。いや、それはどんな国でも変わらないか。
この世の中はいつまで経っても未成熟で学習能力がつかない。科学者、あるいは研究者、学識経験者という人たちの中にはお膳立て通りに解釈してみせる人たちがいるんだということについては、日本チッソが水俣であれだけの被害を出していながら、その被害と水銀廃棄物との間には相関関係が見られないというコメントを表示した東大医学部が、まさにそのお手本を示してくれていたではないか。
この地震列島の上に立つ列島に原子力発電所を建て続けるのは日本国民に対する犯罪なだけではなくて、地球上に生きる全生物に対する欺瞞である。
