ほぼ足りてまだ欲 その先

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民生委員

 ご存知の方はご存知で、聴いたことのない方は聴いたことがないかもしれないけれど、日本には民生委員という肩書きをお持ちの方がいる。まったくのボランティアで、平たくいうと地域の面倒を見てくれるという方なんだけれど、この人の役割は実はなかなか大変。
 例えば係累のない、なおかつ周辺に相談する人もおられない、独居老人で困っている人を見いだしたりする役割なんかも担っている。地域のことをよく知っていなくちゃならないし、この役割は実は純粋ボランティアで無給なんである。
 この国の文化としてははなはだ珍しい形態だと云っても良いだろう。制度的には戦後に成立した法律に基づいているけれど、そもそもは大正7年に当時の大阪府知事林市蔵が考案した「方面委員」というものがその前身だというのは国家試験の練習問題に良く出てくる。
 しかし、ここ十年の間に爆発的に普及してきた「個人情報問題」は地域のケアにとてつもない壁を構築してしまった。民生委員にとってもとても活動しにくい状況になっているし、民生委員そのものになり手もいなくなりつつある。こうなると、これまでのこの制度に頼っていては手遅れになるのは必至である。厚生労働省が今どの様に考えているのか、知りたいところだ。
 こういう疑問を明らかにしていくのがマスコミの役割であり、予算委員会で語られるべき議題なのであって、国会内で雑誌の写真撮影をしたのがどうのこうという話をいつまでもやっている暇なんかないのだよ、片山さつき君。