ほぼ足りてまだ欲 その先

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温泉

 とても久しぶりに温泉に行くことになった。last winterっていうのは日本語でなんといったらよいのか思い浮かばないのだけれど、前回の冬期間は肌が乾燥して痒くて掻いてしまい、ボロボロになって人前に出られない状態だったので、温泉に行っていない。どこに行こうか迷ったのだけれど、今月は結婚記念の月でもあるし、行き先は向こうに任せてとにかく温泉には入ることができる一泊バス旅行に申し込んだ。こういうのは到着するまで楽しみなので面白い。
 バスは新宿を出ると中野長者橋から首都高に入って鹿浜橋に向かったところで東北縦貫道を走るんだなということはわかった。途中、なんと10時半に早くも上河内のSAで昼食ということに相成って、コンビニで買ってきた弁当と、柚子塩ラーメンで飯にした。相変わらずSAの飯なんて旨くない。
 途中のどこかの大きなSAでフェラーリが驚くほどの数並んでいるのに驚いたんだけれど、そのうちの2-3台がここにも来ていて、そこから降りてきたドライヴァーが私よりもよっぽどお爺さんなんで驚いた。その歳で、ガル・ウィングかよ!と。
 東北縦貫を走っていて気がつくのは紅葉が綺麗に時期にこの高速の景色は素晴らしいんだろうなぁという点と、日本にはこんなにたくさん、柿の木があったんだなぁということだった。実が鈴なりになった柿の木を良く見る。
 白河で高速を降りて最初に向かった先が日本百城のひとつで国の史跡、白河小峰城。御三階櫓が1991年に復元されたという新しいもので、1994年になって前御門が復元されたそうだ。この櫓の復元にあたっては戊辰戦争の激戦地から樹齢400年という杉の木を切り出してきたのだそうで、当時の銃弾跡が残ったままの木材が使われているのが面白い。しかし、良くこの時期になってそんな樹齢の杉の木があるものだ。
 ここではボランティアのガイドさんがおられるのだそうで、65歳くらいの背の高い男性の方だった。
 白河の駅が白の直ぐ横にあって、なんでもそれは三の丸に相当する位置なんだという。なんでそんなところに駅ができたのかというと、1889(明治22)年に皆既日食があって、米国の観測隊が水平望遠鏡を持ってくるというので、この城趾が良かろうということで、それまで黒磯止まりだった鉄道を郡山まで延ばすことにして、その運搬のためにすぐ傍に駅を作ったということなのだというのである。知らないことはいくらでもあるのだ。
 白河を出たバスは289号線をどんどん、それこそどんどん突っ走り、2年前に開通したという甲子道路の4,345mという終わりが来ないんじゃないかと思えるほど長い甲子トンネルを通ってやってきたのはA温泉。そして宿泊はO荘。なんでイニシャルなんだよということになるけれど、おどろおどろしいロビー、やたらと館内にいる従業員の方たちの声かけ、出発時の徹底した「これでもか」と手を振るやり方にいささか辟易したんである。
 風呂は立派。これは古い方も、新しい方も、これは本当にケチのつけ用がない。しかし、全体がもう既に相当に古くて、どうしてこんなに大きくしちゃったんだよ、取り返しがつかないじゃないかと嘆くしかない施設。
 部屋は暖房を動かすと乾燥して暑くなる、止めると寒くなるという繰り返しで、風呂に入って身体を温めるとこれが有効という温泉にはぴったりな条件だけれど、多少面倒。おかげというわけではないけれど、翌朝の出発までに5回入浴。