ほぼ足りてまだ欲 その先

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特別扱い

 人間というものはどうしてこう特別扱いされることが好きなんだろうか。他の人と一緒、というのがいやだ、という主張の半分はそういうことだろう。他の人たちよりも上の立場に立っていたいという願望があるみたいだ。
 例えば、顧客カードを出した時に「あ、これは、これは。いつもご利用をいただきましてありがとうございます」という態度を店が見せたらそれだけで満足しそうなタイプの人ってのが確実にいる。
 かつて企業で働いていた時に、そうしたことさえされれば人は満足するに違いないんだと思い込んでいる上司についたことがあって、彼よりもポジションが高い人に接する時には世間一般のルールなんてものすら逸脱しても良い、いや、彼のためにはいくらでも世の中のルールを破るということに精魂を傾けていた人だった。
 なにしろ事前チェックインとか、セルフチェックインのなかった時代には、空港のチェックインカウンターに列が二つあったら部下を別の列に並ばせ、どちらか早い方にスライドさせるとか、エクゼクティブ・ラウンジにどうにかしてはいるとか、バレッタ・パーキングができるカードをどうにかして手に入れるとか、ホテルにアーリー・チェックインのプレッシャーをかけるとか、そうしたことに部下を動かし続けていた。しまいにはスモーカーの上司が煙草を取り出したら、ビル内禁煙のビルでも平気で灰皿を手にして上司の灰を受けたのには驚いた。そうしたら相手が必ず喜ぶと思っている。ということは本人がそういうことで喜ぶんだ、ということを示している。その彼は国際通をもって任じていたのだから、いうことはそれ以上に持ち得なかった。
 ホテルや空港、はたまた飲食店なんかで居丈高に大声を出して店員を恫喝しているようなおよそ爺というのを屡々見かけることがある。通常だったら不満を持っても心の中で毒づいてもそこでは爆発させないで家に帰ってから、私のようにブログやtwitterでぼそぼそいう程度だけれど(なんだ、やっぱりいってんだな)、それをその場ではどうにもならないようなことで怒鳴っている。あれも他の人とは違うんだぞという現れの一つだろう。依然買った紙をおいてなかったのを長々と怒っていられたって困るというものだ。
 あ、そうだ、今度はICレコーダーでも買って、そういう人の論理をメモってみようか。