ほぼ足りてまだ欲 その先

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ビルマ

 ビルマって書くと聡明な ATOKさんは「国名変更→ミャンマ」なんて表示を出して、あたかも今のビルマを仕切っている軍事政権の片棒を担いでいるかのごとしである。片棒を担いでいるのはATOKだけじゃない。市場主義経済(共産主義経済システムが崩壊して以来資本主義経済と云わなくなったなぁ)各国(実質的に市場主義経済に移行してしまっている中国を含む)はあたかも怒濤となってビルマの軍事政権に目をつぶって雪崩を打って参入している。
 彼らはかなり前からしびれを切らしていた。早くアウンサンスーチーをどうにかしてビルマに参入できるチャンスを実現しろと。軍事政権に一刻も早く決断させようとしてどこかで誰かが彼らに決断を迫ったはずだけれど、一体それは誰だったんだろうか。
 あの忌まわしき泰緬鉄道を復活させようという動きまで出てきている。あれだけの犠牲を伴って自国の利益のためだけに日本が強引に工事を進めたあの鉄道を、これから始まるビルマからの製品搬出ルートの多様化のためによみがえらせようというのだから、あたかも墓場を暴くようなことではないか。
 次の世界の生産拠点を求め続ける市場主義経済はこれまで人道主義の欠如の象徴となってきた「軟禁されたアウンサンスーチー」を、彼女とビルマ民主化のためではなくて、ただただ、ひたすら市場開放の理由付けのために画策してきたのだ。
 だから現実に政権は全く解放されておらず、見せかけに行った国会議員選挙も軍事政権が勝手に変えてしまった軍人枠をそのままにしているわけで、全くの話、なにも解放されてなんかいやしない。
 もちろん西欧市場経済主義諸国はそれを十分知っているし、全くお為ごかしに過ぎない民主化を知って知らない振りをしているだけだ。こうなりさえすればすっかり理由付けがついてビルマに進出オーケーだ。
 正に寄ってたかってビルマを植民地にするのと何ら変わりがない。軍事政権に押さえつけられるまでのビルマは節度のある民衆が貧しいながらも海外へ労働者を派遣して外貨を真面目に送り続けていたし、その海外へ出てくる労働者もかなり高い技術を有していて、スキルのあるレベルとして認識されていた。
 結果として軍事政権と市場主義経済活動にいいようにやられていることになってしまった。ビルマ国内で革命ののろしが本当に上がるのがいつの日になるのか見当がつかないが、その時に市場主義経済各国がどのようなスタンスに経つのか見極める必要もあるだろう。しかし、こうなってしまうとそこに至るにはかなりの時間が掛かる可能性が高い。