ほぼ足りてまだ欲 その先

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この視点

 豪州の放送局ABC(アメリカのABCと混同しそうになる)の元日本特派員だったWalter HamiltonがSydneyのNSW大学から「Children of the Occupation: Japan's untold story」という本を今年の7月に出している。
 ご承知のように戦後の連合国による日本の占領期間中、英国連邦軍が中国四国地方に駐留した。従って呉を中心とした地域から豪州へいわゆる「戦争花嫁」として嫁いでいったひとが何人もおられた。
 その一方、日本で生まれた「国際児」(著者が自身のホームページ(こちら)でそう表現している)の存在も当然あったわけだ。米国兵との間の国際児については多くの物語が語られ、取り上げられたことがあるけれど(そういえば今やほとんど敢えて取り上げられることがなくなったという印象がある)、豪州兵との間の子どもについてはほとんど触れられた記憶がない。この観点は私にとっては虚を突かれた感がある。
 Walter Hamiltonは11年間の特派員としての対日経験からきっかけを得て、この本を著すことが出来た。
 そのWalter Hamiltonが今月25日に東京・三田にある豪州大使館で講演をする。

問い合わせ先:
108-8361東京都港区三田2-1-14 オーストラリア大使館広報文化部 徳仁
Tel :03-5232-4024  Fax : 03-5232-4114
Email:cultural.tokyo@dfat.gov.au

 不思議なことにこの本はAmazonではほとんど扱われていない。一体全体これはどうしたことなんだろう。NSW大学のサイトでは一冊約40豪ドルなのだけれどDHLの送料が28豪ドルもするものだから、しばし逡巡中。
 この視点で取材しようとすると日本人が日本で調査するのは、彼のような外国人が行うのに比べて難しいかも知れない。それはその取材の視点が「差別的なもの」として捉えられかねないかも知れないというところにあるのではないだろうか。つまりそれだけ過去にはそういう視点に晒された経緯があるということだけれど。