ほぼ足りてまだ欲 その先

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 先月に引き続いて河出文庫から出版された鶴見俊輔コレクションの2冊目。一体これは何冊になるのだろうか。橋爪大三郎のどうでも良いような「ふしぎなキリスト教 (講談社現代新書) 」なんてものがたくさん売れる理由が全くわからないのに、こうした質の高い書物こそ売れて欲しいものだとつくづくそう思う。
 田中正造について書かれたもののあとに、1970年に朝日新聞に何回かに分けて明石順三について書かれたものが掲載されている。私は岩波新書の「兵役を拒否した日本人」で明石順三を知ったのだけれど、鶴見俊輔のこの文章を読むと、あれが出版されたのもこの文章が書かれた頃のことだという。
 ものみの塔については一部の人は知っているかも知れないけれど、明石順三は1908年に米国に渡り、日本語新聞で働きながら当時の「ワッチタワー」活動に熱心になって1926年に日本支部設立のために帰国した。
 戦後の彼の生活は実に地味なものだったようだ。