ほぼ足りてまだ欲 その先

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65歳

 世の中では65歳はまごう事なき「年寄り」である。どこに行っても概ね「年寄り扱い」をされることになっている。それは実に歓迎すべき処遇である。国内においては各種施設の入場料がもっぱら65歳を過ぎると安くなる。ま、大した金額ではないけれど、北区の旧古河庭園だって、普通の入園料が150円なのに対して65歳以上は70円と、半額以下だ。
 国営昭和記念公園に至っては通常400円のところ65歳以上はなんと200円である。その代わりに年齢を証明できなくちゃならない。「あぁたはどう見ても65歳以下にしか見えないから400円だ」なんてことは言わない。そもそも年齢を証明できなくてはならない。「ほうら、お爺さんらしいお爺さんでしょ?」といったって証明できなくちゃダメだ。かつて永六輔は証明できなくて安くして貰えなかったといっていたけれど、役所、もしくは役所から委託された(多分天下りの一人二人はいそうな)外郭団体は見た目なんてどうでも良い。だからあたしのような随分前から爺さんそのものの外観を呈しているにもかかわらず適用されないのだ。
 区内のプールも65歳を過ぎると半額になる。だから、プールの中は爺さん、婆さんで一杯なんである。
 豪州に行くと年金生活者料金というのがあちこちにある。なんたって床屋にあるのは合点がいく。カットする髪の毛の量が少ない割合が高いからね。