ほぼ足りてまだ欲 その先

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散歩

 今日の散歩は三ノ輪。三ノ輪は今では外国人の安いアコモデーションの拠点としてその筋の観光客には広く知られている。なんせ六本木から地下鉄一本というのが魅力だと若い観光客はいう。しかも宿泊施設は狭くてもとにかく安い。どこの国でも都会の宿泊施設は余りにも高過ぎてあきれ果てるばかり。そこへ行くと三ノ輪はその起源がなんであれ、とにかく安く泊まれるだけでなく、周辺は居酒屋を初め安い。しかもちょいと足を延ばせばジョイフル三ノ輪商店会があるじゃないか。近辺の食い物屋には殆どに「ENGLISH MENU」と書いてあるというくらい。しまいには自らを「exceptional dentist」と表す歯医者までいるというくらいだ。
 通常は三ノ輪から都電に乗りたくてやってくるけれど、普通はジョイフル三ノ輪商店会に足を延ばすことはない。今日は初めて。十条銀座には遠く及ばないけれど、ここだって、多くの高齢者が圧倒的な地域住民にとっては御の字である。
 280円弁当があって、ここはサイドメニューの種類が大層豊富である。
 蕎麦屋は砂場があってかつての伊吹が感じられる。
 八百屋の店先にいくつもの糠味噌の樽があってこれまでこんなにゴロゴロ並べている店はちょっと見たことがない。キャベツ、茄子、キュウリ、蕪、大根、大根の葉もガンガン漬けてある。小さいキャベツと蕪の漬け物を買う。塩漬けの方には野沢菜、白菜と共に見慣れない葉物がある。昼飯中だったと思しき旦那に聴くと辛し菜という。キャベツとカブを買う。うちに持って帰ってみたら、かなりの古漬けで乳酸化が極端に進んでいて、かなりベテランの糠漬けファンでないとこなせない類のものだったのはちょっと残念だった。
 昔は味噌屋といったら樽の中に円錐型のように各種の味噌が積み上げてあって、目方で買ったものだ。今や味噌汁だって、最初っから出汁で味をつけたものを買ってきて、お湯を沸かしてそれを溶くだけだから誰だって造れちゃう。ここで西京味噌の小さな器に入ったものを買うと、多分数年前に左脳の脳梗塞をやったと思しき旦那が、都電のパンフレットを持って行けとくれた。
 こうして見ていると店主の側の高齢化も相当に進んでいるから、残念ながらこの商店会も早晩一つ抜け、二つ抜けということになるんだろう。