ほぼ足りてまだ欲 その先

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広告業界

 広告媒体を作るという仕事がある。新聞や雑誌等の印刷物として出稿する広告を作る、あるいは製品を説明する、あるいは企業活動を説明するために印刷物やら映像やらを作るという仕事といっても良いかもしれない。
 これを買うのはそういうツールの作り方としてはまったく頭に何も入っていない人たちだったりする。そういう人たちにどんなものを作るのかということを説明しなくちゃいけない。それが面倒なんだね。その人のセンスがどこまで何を理解することができるのかというところがわからないからだ。
 そのために様々な手段を考える。グラフィックの世界ではカタログを作る時にはダミーというものを作る。写真や文章の入れ方を示すために、まったく関係のない文章と写真を使って雰囲気のわかるものを作る。偽物だ。だからダミーという。
 しかし、説明を受ける側、つまりこの場合「客」はそうやって見せるものだとは思っていなかったものだから、それを見せられて「何をふざけたものを持ってきたんだ!」といって怒ったことがある。
 製品のプロモーション・ビデオを作っていて、ナレーターが説明を録音していたら、それを聞いていたお客が突然、ナレーターに「君はこの製品をひとつでも売り込もうという気概がない!」と叫んだこともある。
 そういうわけのわからんお客をなだめすかすのが営業の仕事だ。某大手広告代理店にはこういう営業に、聞いたら驚く様な縁故を持つ社員がいる。本当に驚いたことがある。そういう時代はもうとっくに通り過ぎていることを願うばかりだ。