ほぼ足りてまだ欲 その先

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金の卵


 井沢八郎の「あぁ、上野駅

 金の卵たちが東京へ就職に集団就職列車でやってくると、上野駅頭の様子が必ずその週のニュース映画で映画館で見られたものだ。なにしろテレビはないから、そんなことで私は知ったものだった。あの頃は夜間高校は当然のように公立高校には設置されていた。大学にも二部というのが夜間学部としてあった。確か吉永小百合が入学したのも早稲田大の第二文学部じゃなかったっけ?
 長ずるに及んで職場で接待があると、最後にみんなで行くのが新宿の外れの集合ビルの地下にあった、バーだった。当時、ようやくカラオケが流行始めた頃のことで、その店にも入ってきた。そこにいたおばさんが酔っ払ってくると、必ずこの歌を唄いながら、グズグズになって何をいっているのかわからなくなっちゃったものだった。多分彼女も集団就職で東京へ出てきたうちの一人だったのだろう。
 おかげで私もこの歌が歌えるようになってしまった。