昨日審議会が衆議院の定員を小選挙区を7増13減、比例代表を1増5減として答申を衆議院議長に提出した。
これに対して石破地域創生大臣が「そもそも合区というやり方が正しいと私は今でも思っていないけれど。そういう地方の声を圧殺しかねない今のやり方に対して、きちんと異を唱える」と発言しているのだそうだ。
私も最初この答申を聞いたとき、こうなると益々都会の声ばかりになるんじゃないのかと思った。議員が減ってしまう地方の声が益々聞こえてこなくなるんじゃないかと。
これに関して首都大学東京教授である宮台真司がラジオでいうのを聞いて、オウ、そうかと今更ながら目から鱗が落ちた。
それは議論されているのは「国会」議員なんであって、彼らは国家レベルの立法府なんだということを忘れているということなのだ。これは私なんぞは勿論、かの石破茂だって、そこを忘れているということなのだ。
つまり、「国会議員」が地方自治の役割を担っている県会議員とどこが違うのかといったら、全員が全員、何党に所属していようが、どこの選挙区から選出されていようと、彼らの職務は国家レベルにたって政治を考えるということであって、何かの、あるいはどこかの利益代表として国の政治を考えるということではない、ということなのだ。
むしろ当の国会議員だけではなくて、それを選び出している選挙民一人一人まで全員が考え違いをしているということなのだ。地方の利益を考えるのは、それぞれの地域にいる県会議員の方であって、国会議員ではないのだ。
この観点に立っていえば、どこから減ろうが、とにかく格差を1.62倍になって良くなったといっている場合ではない。ほぼ正確に1.00倍とならなくてはならないのである。
宮台は「これを理想論に過ぎないという輩がいるだろうけれど、システムは理想的に作られるべきであって、そこをないがしろにしたら何の意味もない」といっている。仰る通りだ。
大体日頃のしゃべり方が上から目線で気に入らないという人が多い宮台だけれど、こればっかりは思わず唸った。