私は大学は三つくらいしか知らない。そのうち一つは冷やかしに友達が在籍していた大学の授業に潜っただけだからよくわからない。二つの大学のうちひとつは大教室(といっても普通の教室二つ分で、後ろはスロープになっている)の授業の時は前から埋まる。一番大きな階段教室(ひとつしかない)での授業もそうだった。だから、前の授業が押してしまうと焦っていっても前の方がとれない。
もうひとつの大学ではいつ行っても前から三列くらいには誰も学生がいない。だからのんびり行っても一番前はいつも私ひとりだった。その後一・二年生が必修の授業にいったら、さすがにたくさん来ていて、授業が始まるころには満席になるのだけれど、それでも私はいつも一番前に座ることができた。だから、後ろがどんな具合になっているのか、まったく知らなかった。後ろで喋っている学生がいて気になった時だけ、振り向いた。そして私が振り向いたら、ものすごくいやな眼をしてみられた。自分が悪いことをしているような気がして腹が立った。
結局馴染んでいなかったということだ。