ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 洋画の解説本です。西洋(いい方が古すぎるかな?)の美術館に行くと、キリスト教がらみの意味があるテーマの絵というのはとてもたくさんあります。例えばかのフェルメールでも、女性が蛇を押しつぶしているなんて、なんつう絵だよ!というようなものがありますが、これなんて解説を聞かなくてはこれが意味するところはなんなの?とわかりません。
 サロメ (ヘロディアの娘)という絵もありますよね。人の生首を皿の上に載せて描かれていますよね。これを描いた絵なんて、実にたくさんあって、あれが洗礼者ヨハネの首なんだぞといわれたって、その洗礼者ヨハネって誰よ?という話になってその先がわかりませんねぇ。
 そんなキリスト教を知らないとよくわからない絵を解説してくれているんです。だから、欧州美術を見る時にはかなり参考になります。
 ところがこの本の著者である中野京子という人が、とても日本の一般人と同じように、宗教に対するリスペクトの念にはなはだ欠ける人のひとりで、この本でもそうですが、まず最初に「キリスト教なんて、ほぉ〜んとわかんねぇものでしてねぇ」と言い放つというのが実に不愉快なんでございますね。わからないならわからないで、良いから、わざわざそんなことを書かなくても良いと思うのですが、どうもこの国の読者には「私は宗教なんかに振り回されちゃったりしていないんだけどさぁ」というポーズが有効だ、と思っておいでの様なんでございますな。
 こういう人には前にも出会ったことがありますが、ドイツを団体旅行で旅をした時の添乗員という女性がこの種の方で、ドイツを旅すれば町という町に必ず大きな教会があって、キリスト教の観点から見ると非常に貴重なポイントが目白押しだったりします。ところがこの添乗員が、何かというと「こんなこと信じられませんけれど、〜だっていうんですよねぇ、ホント信じられない!」といういい方をするんですね。これには実に腹が立ちました。君がそう思っているのはそれは自由だけれど、押しつけんなって。
 あれ以来、あの会社のツアーには参加しないことにしました。彼女が添乗員だったらまた不愉快な思いをするから。