現役時代、私は(いわゆる)だらしのない通勤をしていて、いつも始業時間ぎりぎりにデスクに駆け込んでいました。しょっちゅう半時間は早く来て落ち着いて準備をしろといっていた上司がいましたね。えっ!?バカじゃないの?そんな時間まで会社にゃ売っちゃいないよ、と思っていました。
なにしろ会社まで地下鉄初乗り料金で通えるところにいましたから、いざとなったらタクシーを飛ばして会社近くまで乗り付けたこともありました。
春秋の季候の良い時は自転車で裏口に乗り付けて、守衛さんに「置くところありますか?」と訊ねて顰蹙を買ったことがあります。当時は自転車で会社へ来る奴なんていなかった。そうすると通勤手当を貰っていながら電車に使わないというのは如何なものか、という馬鹿がいました。
そういう距離に暮らしていると、定期券なんて買うのが馬鹿馬鹿しくなります。だって、定期券だったらその指定区間しきゃ乗れないけれど、現金で買っていれば、同じ料金で違う方向へも行けますからね。
だから、残業代がつかない立場になった時はいくらでも遅くまで仕事をしていても帰りの足を心配することがありませんでした。どうしようもなくなれば、歩いてしまえ、というくらいでした。5.5km程しかありません。朝まで仕事をしていたことも数えきれません。
なんであんなに頑張ったんだろうなぁ。会社のためと思っていたのかといったらまったくそんなことはないですね。ただ単にその仕事が面白くてしょうがなかったんですね。それがバブル真っ盛りだったので、遊びはあんまり覚えていませんでしたねぇ。偶にガッツリ酔っ払ったくらいで。
そうそう、そういえば週末にお客とゴルフにいったその足で、仲間が集まっているゴルフ場へ雇ったハイヤーでそのまま乗り付けたことがあります。これが都知事だったらやめさせられちゃうところですが、当時は上司も公認だったんだからふざけた時代です。後にも先にもあの一回だけですが。