ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

小説の舞台

 「ネロとパトラッシュ」の物語「フランダースの犬」を絵本で読んで思わず泣いてしまった記憶はちょっと恥ずかしくていえませんでしたが、あの物語ってのはそもそも書いた人もイギリス人だし、あの舞台になっているホーボケン (Hoboken) の人たちはそんなこと知らんものだから、なんで外国人がわぁわぁとやってくるのかと不思議でならなかったんだそうですね。史実でも何でもないですからね。私が行ったときはしょうがないからというので、あの教会の前の広場にトヨタ自動車が金を出して、記念碑が置かれておりました、日本語で書かれておりました。つまり日本人観光客だけがあれにひかれてきたわけでしょう。今じゃ、あの広場の石畳に日本人好みではないパトラッシュとネロの像があるんだそうです。
 ハリーポッターで描かれたロンドンのキングスクロス駅に “PLATFORM 9 3/4”を創ったというのもこの伝でございますなぁ。あの駅に入ったことはありますが、わざわざそこまでは行きませんでした。アジア人観光客のひとりとして、怠慢の誹りは免れませぬな。
 かくいう私も「赤毛のアン」のPrince Edward Islandに上陸したことがございます。あれだって、全くの架空の話、ま、小説ですからね、なにも関係するものがあるわけではございませんでねぇ、それにもした一角がしつらえてあるわけです。もっともこちらの方は著者のLucy Maud Montgomeryがこの島の人で、今でも「生家」なるものは残されております。なにも日本語だけに翻訳されたわけではなくて、多くの外国語になっているのですが、なぜか日本語訳は大爆発。これまでに10数人もの人が翻訳をしているんだそうですが、なぜか村岡花子訳が有名でございます。年間に一番多く赤毛のアン目当てに訪れる観光客はやはり日本人なんだそうで、その説明を聞くと、米国人なんぞはどうして?というんでございます。
 ま、韓流ドラマがオーストリアハルシュタットで撮影されて一時韓国人が殺到したとか、ボリウッド映画がスイスのユングフラウヨッホで撮影されたからと、薄着のインド人が殺到したというのとほぼ同じ意味に過ぎないわけでございます。日本人も昔からこういうのは好きですからね。
 多分日本にも同じような意味の観光地はたくさんあるんでしょうねぇ。