ほぼ足りてまだ欲 その先

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日本の技術

新幹線の台車に入った亀裂

JR西日本によると、亀裂が入った台車枠の鋼材は縦約17cm、横16cmで、中が空洞のロの字型構造。厚さ8mmの鋼材を使って成型後、別の部品を溶接した際に底面の一部を削ったため、加工後の厚さの基準に満たなかった。
 新幹線担当の平野賀久副社長は記者会見で「強度が保てないことは明白。設計図通りに作られていない」と指摘。川重側は鋼材を削る工程について「本来は行ってはいけない作業だった」と説明したという。
 底面の一部では、溶接時に生じたとみられる割れも見つかった。(日本経済新聞2018/2/28 17:57)

 なんともお粗末そのもので、いわゆる「日本の匠」がこんなことをしていたとは驚きだ。川重といったら、三菱重工と交代で潜水艦を作っている会社だけれど、こんな連中が作っている自衛隊の潜水艦も漏れちゃってんじゃないのかと揶揄されても仕方がないだろう。三菱重工もかなり怪しくなっているしねぇ。
 台車の構造がどうなっているのかが解説されないので、この「口の字型構造」ってのが何を意味しているのかがわからないけれど、簡単にいってみれば四角いコアを作ってそれに重いものを置いていると思って良いのかなぁ。底面の一部を削るというのは高さが合わないからなのか、そうだとしたら、四角いコアを作るときの高さで調整しなくちゃならないわけだよねぇ。これを削って板厚で調整したんだとしたら、技術者として最低で、とても「匠」がどうのこうのという場合じゃないね。
 それから、溶接をしたときに鋼材は当然熱の影響を受けて変形し、組成に変化が起きるのは誰でも知っている。ただの文系爺のわたしですら知っている。だから重要な溶接部分は超音波を使ったり、ダイチェックしたりする。ましてやクラックが入っただなんて、ヘタックソ以外の何物でもない。
 多分現場で働く作業者のレベルはなり手がいなくて、どんどん低下していると覚悟を決める必要がある。

東京新聞2017年12月20日 朝刊から。