もちろんあの未曾有の天災、関東大震災の日だ。もう96になる。直下型だったし、被害は大きかった。何しろ燃えた。問題はその後だ。朝鮮人虐殺が起きた。殺しに来るとか、井戸に毒を放り込んだ!といったデマがあっという間に拡がって、通りかかる朝鮮人を街の住民が撲殺したと記録がある。撲殺するまでもなく、町内から追い出して、隣の町へ押しつけ、押しつけされて、とんでもないところまで行かされて、挙げ句に殺された、という記録もある。そうした目撃証言を丹念に拾って記録にしたものもある。それだのに、そんなことは起きていない、それこそがデマだという歴史修正主義を振り回す連中がいる。そういう連中は南京虐殺すらなかったという。記録が残っているじゃないかというと、その記録すらねつ造だという。愚かさの留まるところがない。そうした風潮を加速する出版社すら存在する。
今年もまた、この日に際して、小池百合子は都知事として、犠牲となった朝鮮人の人たちに対する追悼文の送付をしなかった。意図的に、それまでの都知事が行ってきたことをやめている。
かつて働いていた企業は横浜に乾ドックを持っていた。今ではもう埋め立てられてしまって、そこにはマンションが建っている。そのドックは1922年、関東大震災の前年に完成していた。この大震災で亀裂が入って、修理を要したのだと記録に書いてあったことを思いだした。
虐殺された朝鮮人の人たちを含めて、あの地震の犠牲になった方々を記憶に止めておきたい。地震による死者10万5千人といわれている。
古今亭志ん生が地震が来るやいなや、近所の酒屋へ走って行き、これが最後だと樽の栓を抜いて、直に呑んだというのは良く知られている。
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