ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

MET

 閉館になっている代わりにネットで毎日一本のオペラを無料公開しているメトロポリタン・オペラの昨日の演し物は2015年の『イル・トロヴァトーレ』(Il Trovatore )だった。ソプラノはかのAnna Netrebkoで、もうこれだけでメトロポリタンは売り切れになってしまうのは当然だが、この演目はバリトンがなんと同じくロシア人のDmitri Hvorostovskyである。Hvorostovskyはこのあと脳腫瘍を患い、闘病生活を送っていたが、2017年11月22日にロンドンにて55歳の若さで他界してしまう。これが彼の最後のMETの舞台となった。
 それはそれは素晴らしい出来で、カーテンコールですら感動する。最後に指揮者がHvorostovskyを後ろから舞台の前に押し出すから、なんだろうと思うと、なんと楽団員全員が白い薔薇を彼に投げるのである。一番前のど真ん中に着物姿の日本人女性が座っておって、思いっきり花を投げる。あれは一体誰だ?
 これは実際に見たら、多分相当感動するだろう。


Dmitri Hvorostosvky at the MET 2015


追記:そうこうしているうちにこんなニュースが流れてきた。

NPR has learned that the Met Opera has laid off all of its union employees, including its musicians and chorus. The Met is the US' largest performing arts organization. More to come online & on air.

どういうこと?3月末まで閉めたのではもうらちがあかないという判断だということか。これでは4月以降の上演も無理ではないのだろうか。いよいよエンターテインメント業界に働く人たちの立場が危険になってきている。日本でも同じではないか。

といっているうちにMetropolitan Operaが発表

We regret to announce that the Met has canceled the remainder of the 2019–20 season, which was to have ended May 9, 2020, due to the coronavirus pandemic. This includes all performances and Live in HD transmissions.

 なんと、もう今シーズンの公演は全部キャンセル!だと。なんということ!

追記・その2
 シルク・ドゥ・ソレイユは95%のスタッフを解雇したと発表。訂正:解雇ではなくて、「レイ・オフ」だそうです。