ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

後かたづけ

 千数百枚撮影したデジカメの写真を整理し始めてそれがなかなか終わらない。ひとつの理由は私のパソコンがもう重たくなっていて作業がなかなか進捗しないことにもある。同時にいろいろなことをしようとすることもある。写真のコード番号の設定にも工夫しないと後で分からなくなる。これは一体どこだったんだろうということを地図を見ながら検証していく作業にも時間がかかるというのもある。
 鞄を全部ひっくり返して出てきたものをジャンル別に分ける。洋服の類を全部洗濯にかける。入手した資料をジャンル別に分ける。急ぐものと急がないものに分ける。それでも手がつかないものが出てくる。
 一番面白かったのは行く先々で貰ってきた宿泊場所の石鹸の類。しまいにはバスルームについていたディスペンサーから20cc程頂いてきた液体石鹸なんてものもある。これと同じものをどこかに売っていないかと思ったのだけれど、見付けられなかった。面白かったのはYellowstoneのGrant Villageのロッジにおいてあった熊の石鹸である。これはShopでも99セントで売っているものでなんということのないものだけれど、ガイド氏がわざわざいうのでふたつ持ち帰った。これでわが家はしばらくの間石鹸の類に困ることはなさそうだ。
 今回、旅の途中でも、そして帰ってきてからでもとても役に立った地図は「Rand McNally」の「Western United States」という地図である。八重洲のブックセンターの地下の外国の地図売り場で入手したもので多分1500円くらいのものだったと思う。現地で買ったら12ドルくらいのものではなかったかと思うけれど、今回の行程がカリフォルニア州ユタ州アイダホ州ワイオミング州ネバダ州、アリゾナ州に及んでいたのでずっとこの地図を広げながら自分の居場所を確認していて土地勘ができたのだから、この1500円は高くはない。おかげで帰ってくるともうボロボロだ。

CD

 今回は時間がなかったものだからJAZZを全く入手せず。カントリーはAlan Jacksonの「Good Time」がNorthwest Airlinesの中で聴くことができたので文句なくリストに入れる。
 Willie NelsonとWaylon Jenningsという例の組み合わせの2枚組があったので思わず手にしてしまったけれど、なんということはなくそれぞれのものを2枚組み合わせただけという超イージー企画。道理で安い訳だ。カントリー系はこの手が多くてこれまでにもなんども裏切られてきた。こんなことならこのかわりにリオン・ライムスのものでも入手すれば良かったのかも知れない。
 Bluegrassに的を絞る。知っているプレイヤーの名前は古い人ばかりなので、敢えて聞いたことがない(私だけが聞いたことがないだけだけれども)グループをと思う。それでもまずThe Nitty Gritty Dirt Bandの「Greatest Hits」から。
 David Grismanの棚を見ると大変に古い録音だけれどVince Gillが一緒にやっている「Here Today」があった。バランスが素晴らしい。それにしても表紙の写真のこのぶれようはどういうことだろう。
 David GrismanではJerry Garciaとのデュオで「Not For Kids Only」という古い唄をアレンジして子どもに聴かせるという想定のアルバムが楽しい。
 Blue Highwayの「Lonesome Pine」、Otis Taylorのリードアルバムでバンジョー演奏者を集めた「Recapturing The Banjo」(あたかもブルーズの様で中にはジミー・ヘンドリックスも録音している「Hey Joe」なんかもやっている)、コンテンポラリー・ブルーグラスとでもいうべき先進的思考をしているPunch Brothersの「PUNCH」(ジャケット見たら誰もブルーグラスとはおもわんでしょ、これは)、IrishのThe Chieftainsの「The Best Of The Chieftains」、そしてなんと3枚組の「Bluegrass ☆WORSHIP☆」という主を賛美する30曲。一枚目の最後の曲「What A Friend We Have In Jesus」は日本でいえば「♪いぃつくしみぶかぁきぃ〜、とぉもなるいぇすはぁ〜」で、ブルーグラスバージョンはとても暖かい。最後のこの3枚組はすぐさまAmazonにレビューを書き込んでしまった。勿論五つ星。

 なんといってもカントリーの売れ線ばりばりのアルバムと違ってブルーグラスのアルバムはめいっぱいの曲が収められているのが嬉しい。カントリーのそんなものだと下手をすると一枚に30数分しか録音されていなかったりする。そろそろ本気になってこうした音源やら書籍の類を整理しなくてはならないんだろう。

日比谷

 友人から聴いた「August Rush (邦題:奇跡のシンフォニー)(米国封切り2007年11月)」を日比谷スカラ座に見に行く。15:40から。みゆき座と違って広いスカラ座ではガラガラに見える。しかも観客のほとんどは私とほぼ同年代。Freddie Highmoreは飛行機の中で「The Spideerwick Chronicles (邦題:スパイダーウィックの謎)」を見たばかりだったのと、Robin Williamsがでているときいたので、これは見たいと思い早速出かけた。
 Robin Williamasの役は実に彼がやりたがるだろうと思うキャラクターなんだけれど、ストーリーは、なるほど邦題の担当者が「奇跡」という言葉を被せたくなるのがよく分かるほどミラクルの連続なものだから、おもわず「世の中そうはいかんだろう・・」とつぶやいてしまうというものである。
 始まり部分の展開は主人公がFreddie Highmoreであることも相まってとても素晴らしいのだ。あそこから先を作り替えたいくらいだ。Freddie Highmoreはいつまで今のキャラクターでいけるんだろう。ランキン君の様にならないことをお祈りしたい。「チョコレート工場」からこれで彼は何本出ているのだろうか。
 (後日談:7月4日のTBSラジオ「ストリーム」で小西克也がぼろくそに云っていた。18歳くらいまでは良いだろうけれどそれ以上の年齢の人はお気を付け下さい。☆なんてたったひとつだっ!と。)

 スカラ座からよいしょと階段を上がって外に出ると出口前に女性の大群が取り囲んでいるのに遭遇。そう、宝塚の出待ちなんであるが、まぁその群衆のお行儀の良いことったら、一体こりゃなんだ!状態。なにしろ今の宝塚のトップスターってのがいったい誰なのか、それがなんなのか知らないけれど、女性たちは年齢は千差万別で一番正面に陣取った一群は座り込んでいてよく見ると全員が全く同じ灰色のパーカーみたいなものを着ているのである。そしてその前には一台のBMWが違法駐車している。そこへ現れたそのトップスターと覚しき超タカビーといった風情の女性がその一群に近寄ると、全員が何やらカードの様なものを両手で捧げ、それをその「覚しき」がさっさと取り上げるという雰囲気で(あれは一体なんなんだろうか・・)手に束ねるとそそくさと車に乗り込んで去る・・という儀式であった。その間、群衆はひと言も声を発しないのである。ヒィ〜とも、キャァ〜とも、ウグッとも一切なにも声を発しないのだ。集まっている群衆の数たるや300人程はいたであろうに、シ〜ンとしているのである。何やら不気味な様な、滑稽な様な、なんとも表現しがたい世界を見てしまったのだ。全員が灰色のパーカーみたいなものを着ているのは、愚かしくも不逞の輩たる小生が想像するに、目立つ格好をして自分をアピールする輩を排除するための手段ならん。一生懸命知恵を絞っているところを想像すると世の中が如何に平和なのかが分かろうというもので、実に時代を象徴しておると安心する次第なのである。
 京橋に出て旅の報告をして帰る。久しぶりに日本酒を呑んだものだからばたんと寝てしまう。