ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

日比谷

 友人から聴いた「August Rush (邦題:奇跡のシンフォニー)(米国封切り2007年11月)」を日比谷スカラ座に見に行く。15:40から。みゆき座と違って広いスカラ座ではガラガラに見える。しかも観客のほとんどは私とほぼ同年代。Freddie Highmoreは飛行機の中で「The Spideerwick Chronicles (邦題:スパイダーウィックの謎)」を見たばかりだったのと、Robin Williamsがでているときいたので、これは見たいと思い早速出かけた。
 Robin Williamasの役は実に彼がやりたがるだろうと思うキャラクターなんだけれど、ストーリーは、なるほど邦題の担当者が「奇跡」という言葉を被せたくなるのがよく分かるほどミラクルの連続なものだから、おもわず「世の中そうはいかんだろう・・」とつぶやいてしまうというものである。
 始まり部分の展開は主人公がFreddie Highmoreであることも相まってとても素晴らしいのだ。あそこから先を作り替えたいくらいだ。Freddie Highmoreはいつまで今のキャラクターでいけるんだろう。ランキン君の様にならないことをお祈りしたい。「チョコレート工場」からこれで彼は何本出ているのだろうか。
 (後日談:7月4日のTBSラジオ「ストリーム」で小西克也がぼろくそに云っていた。18歳くらいまでは良いだろうけれどそれ以上の年齢の人はお気を付け下さい。☆なんてたったひとつだっ!と。)

 スカラ座からよいしょと階段を上がって外に出ると出口前に女性の大群が取り囲んでいるのに遭遇。そう、宝塚の出待ちなんであるが、まぁその群衆のお行儀の良いことったら、一体こりゃなんだ!状態。なにしろ今の宝塚のトップスターってのがいったい誰なのか、それがなんなのか知らないけれど、女性たちは年齢は千差万別で一番正面に陣取った一群は座り込んでいてよく見ると全員が全く同じ灰色のパーカーみたいなものを着ているのである。そしてその前には一台のBMWが違法駐車している。そこへ現れたそのトップスターと覚しき超タカビーといった風情の女性がその一群に近寄ると、全員が何やらカードの様なものを両手で捧げ、それをその「覚しき」がさっさと取り上げるという雰囲気で(あれは一体なんなんだろうか・・)手に束ねるとそそくさと車に乗り込んで去る・・という儀式であった。その間、群衆はひと言も声を発しないのである。ヒィ〜とも、キャァ〜とも、ウグッとも一切なにも声を発しないのだ。集まっている群衆の数たるや300人程はいたであろうに、シ〜ンとしているのである。何やら不気味な様な、滑稽な様な、なんとも表現しがたい世界を見てしまったのだ。全員が灰色のパーカーみたいなものを着ているのは、愚かしくも不逞の輩たる小生が想像するに、目立つ格好をして自分をアピールする輩を排除するための手段ならん。一生懸命知恵を絞っているところを想像すると世の中が如何に平和なのかが分かろうというもので、実に時代を象徴しておると安心する次第なのである。
 京橋に出て旅の報告をして帰る。久しぶりに日本酒を呑んだものだからばたんと寝てしまう。