ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ソニービル

 ソニービルももう随分経った。できたのは1966年だというから、私が高校を卒業した年ではないだろうか。その前、あそこはなんだっただろう。あのビルができた時は大変物珍しくて、結構何度も何度も入った記憶がある。エレベーターで上までいって、一段一段下りてきながら商品を見てきたものだった。下にSONY PLAZAができてあそこにも随分しょっちゅう行ってはアメリカン・テイストのカードや文具や雑貨を欲しがったものだ。それまでは、今はとっくに跡形もないけれど、日活ビルのAmerican Pharmacyでそんなものを入手していたものだった。あの店の真鍮が貼ってあったアメリカの商店の扉そのものを押してはしょっちゅう入り込んでいた。
 あの頃SONYビルの上にあるスパゲティ屋が当時にしてはとても洒落ていて、スパゲティーを茹でるのに、タイマーを使っていて、そのチリンと鳴る音がなんだかとっても先進的に聞こえていた。なんとも今考えると単純な話なんだけれど、面白くて、良く食べに入ったものだ。
 どうせ銀座に行くんなら、久しぶりにあそこでパスタを食べてみようじゃないかというので、昨日は上がってみた。全く昔と変わらぬところに変わらない位置であのスパゲティー屋はやっていた。やってはいたんだけれど、気がついたら客は全員女性で、それも若い、自分の子どもよりももっと若い人たちばかりである。なんだかまるで女性優先車に乗った気分とはかくやといわんばかりである。
 こうなると、爺の一人が混じっているくらいは彼女たちからしたらネグリジブルで、就活中と覚しき黒スーツの4人組は無遠慮にも私にガンを飛ばすし(オイオイ、爺さんが言うようなセリフじゃないぜ)、仕事に邁進していると覚しき若い女性は携帯電話で、何事か交渉をするし、ベテラン店員はなんだかわからないけれど、こっちを気にしてちらちら見ているという風情で、落ち着かないことこの上ないのだった。
 このビルの8階には確かイベントスペースがあって、ここで開かれた四丁目の某有名会社のクリスマス・パーティーに楽隊として雇われたことが40数年前に一度あったのだ。
 私ともあろうものがカメラを忘れてしまい、なんにもアップするものがない。
 銀座を歩いていても三人組のお巡りさんが左腕に腕章を巻いて歩いておられますぞ。どう見ても走って逃げる犯人を追いかけるのは難しそうな方々だったけれど、あぁして歩いていることで抑止力ってことになるのかも知らん。
 それにしても今日はあっちこっちで電車が遅れたり止まったりしていたんだけれど、あれはそのAPECとやらになんか関係があるのだろうか。