ほぼ足りてまだ欲 その先

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馬生

 大学の二年先輩の方が現在の第11代目金原亭馬生師匠と同級生で、永らくご自分のお店で落語会を年に二回主催されている。で、今日がその第6回目。今日の演目は「三軒長屋」である。一昨年寄せていただいたときは「はてなの茶碗」で、昨年は「らくだ」だったそうであるから、とにかく長いものをかけているわけで、力の入れようが分かろうというものである。今の馬生はかつては馬治という名前で、もちろん志ん生の息子の馬生の弟子だった。志ん生が晩年稽古をつけてくれたことがあるが、途中から違う話になっちまうので面食らった、という話を枕に振っていた。三軒長屋の真ん中に伊勢屋の大旦那が囲っている色が女中と住んでいる、という設定。両隣の剣術使いと頭の家がうるさくて、と嘆く女に大旦那が「この長屋はなぁ、わたしがかじちに取ってある」と説明をする。むかぁ〜しっから多分何かの担保になっているということだろうけれど、一体どんな字を書くのかと思っていた。一緒に席にいた友達に「オイ、どんな字だろうなぁ」といったら、彼は即座に「家質でしょう」と答えた。なぁるほど、この伊勢屋は質屋である。師匠に後で聞いたら「人質っていうじゃないですか」というわけである。下に二間、上にも二間のある豪華三軒長屋を質に入れちゃうという持ち主は一体誰なんだろう。
 噺の後は主催者の先輩のおみせ「神田川」ご自慢の鰻を戴きながら仲間内でもう大騒ぎである。これを二次会という。挙げ句に銀座のライオンに席を移して三次会まで大笑い。笑う門には福が来るとはいうものの、疲れちまって駅から家までの10分そこいらがまぁ、辛い。家に着くなりどっと爆睡。朝目が覚めるとまだ5時半である。