ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

何様なりや

 午前3時半頃からあやつはうろうろしだし、人気のない廊下で「みゃぁ〜」と云ったり、ふと気がつくと人の後ろに忍び寄り、椅子に座って投げ出した足に鼻を押しつけてきたりするのである。あれは一体なんだというのだろうか。あまりにも視野の狭い行動とはいえないだろうか。そしてまたちょこらんと座り「むぅ〜」なぞと声を出すくせに、人が目をやると「いや、私はあんたには興味はありませんから」といった風情で視線を他にやるのである。あまりにも狭量と表現するほかない。
 夜ようやく家にたどり着く(昨日今日の肉体労働は本当に初老の生半可な肉体には影響大である)と、誰も気がついてくれない。あの白い髭をまるで米軍の航空母艦の司令塔に立っている数え切れないほどのアンテナのように(もう用もないのに)ふり立てている例の茶トラですら出ては来ないのである。
 ポケットのものを棚に全部だし、洗面所で入念に手を洗い、思いっきり大きな音を立てて三回うがいをして、ふと後ろを見るとあ奴が上目遣いに見ている。それも忍び足で近づいて、である。
 で、奴の餌場方向に歩き出すと、また例によってぐちゃぐちゃまとわりつきながら、なんと「みゃっ!」とかいっちゃって可愛いぶりながらいく。そんならと後ろからけつを支えて抱き上げると、人の匂いをひとしきりくんくんした。こ奴も甘えることを覚えておるのじゃのぉ、と心を許した途端!かみつこうとしやがったから、それをするっとかわして床に落とす。トンと降りたら、奴は人の部屋の絨毯をガリガリっ!って・・・。