ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

今月の雑誌

 先日、ふらっと本屋を覗くと、「東京人」が“占領下の東京”という特集をしていて、中身も見ずにつかんだ。半藤一利五百旗頭真井上ひさしで「戦後日本の骨格作った7年間。」という座談会をやっている。このテーマでなんで保阪正康を呼ばないのかと不満だったのだけれど、考えてみたらそれでは私にとって新しい観点が見つからないかも知れないというものである。保阪は「世界」に登場している。最近井上ひさしに接していなかったけれど、相変わらず鋭い追求をする。
 日野原先生のお話も面白かったし、当時の銀座の話も面白い。RAAのことも触れられているのだけれど、この方の切り口が元々私が賛同できるタイプのものではないから、論評する必要もないのだけれど、この辺の人選がこの雑誌がこのようなテーマを扱う点での限界だといってしまっても良いのかも知れないのだ。ひょっとするとこの方は当時の日本人の捉え方そのものを抱えて凍結し、その後の人生を送ってこられたのかも知れない。それを意識して受け取っておきたい。
 この雑誌でもアレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」が話題になっているが、今月は多くの雑誌で取り上げられている。銀座シネパトスでは押すな押すなの盛況でなかなか見ることができないという話を永六輔の「土曜ワイド」のラジオで聴いた。私も見たい。「創」では侍従長役で出演した佐野史郎がラジオでも最近対談をしていた森達也鈴木邦男を加えた三人で、鼎談をしている。
「東京人」巻末の特集は私が未だに耐えて見ていられない「文楽への招待」である。
「世界」では映画「蟻の兵隊」を取り上げ、池谷監督、登場者の奥村氏、そして津田塾大の4年生が座談をしている。「論座」では日高六郎が何故か今頃、道場親信の「占領と平和」に言及している。そういえば、私は未だにあの本に正対していない。「創」佐高信の連載「筆刀両断」で、とうとう上坂冬子を斬っている。やれやれ、ちょっと遅すぎるの感あり。