ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

Princess Masako

 講談社は日本語訳版の出版を断念したと今朝のニュースが伝えていた。原本は豪州のランダム・ハウスから昨年の11月に出版されたものである。著者はBen Hillsといってドキュメントリー作家として知られており、今はどうか知らないが、豪州ABCの「60 min.」という番組に関わった時期もあり、豪州の有力紙、メルボルンのThe AgeあるいはシドニーのThe Sydney Morning Heraldなどで働いた人。豪州のピューリッツァー賞と云われるWalkley Award、豪州のジャーナリスト賞といわれるGraham Perkin Awardを受賞している。
 豪州での出版後、すぐさまこの本は米国でもTarcher社から昨年の12月28日に出版されている。英語だから速いなぁ。Amazon USAでは$17.13、豪州のこちらのDymocks OnlineからだとA$34.95でそれぞれのバージョンが既に売られている。だから、講談社が翻訳本出版を中止したという話は外務省の絡んだその背景を含めてすでに米国内での新聞記事となって流れているだけではなくて、勿論豪州でも、そしてヨーロッパでも記事になっているようである。彼のドキュメントが間違っている部分はきちんと指摘しておかないとならないのではないかと思う。それは必要だとは思うけれど、外務省が直々に一民間人に対して謝罪を影響するという行動に出るのは、ジャーナリズムそのものにとって問題なしとはしない。これはきちんとした議論が必要である。なんとなく、自衛隊空佐の情報漏洩事件についての調査に繋がる共通の因数があるような気がする。