ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

ようやく見たなぁ

 NHK BShiで20日から23日まで「証言記録 兵士たちの戦争」をやっていたのに、呑んだくれたり、いぎたなく眠り込んでしまってどれもこれも見逃した。ビデオで撮っておけばいいのだけれど、その機械をデジタル化したらどうやってこのチャンネルを自動録画をできるのかわからなくてそれもできない。昨日は麻婆豆腐茄子の夕飯のあとやっぱり寝てしまったのだけれど、番組開始直前に目を覚まし、最後の「満蒙国境 知らされなかった終戦」を見ることが出来た。
 満蒙国境に駐留した青森で組織された陸軍107師団の苦闘の話だった。ソ連が国境を越えて攻め込んだ時、関東軍は107師団に新京まで退却せよと指示する。線路に沿って下りはじめるがそれよりも早くソ連軍が先回りし、そして後ろからも攻め挟み撃ちに。大興安嶺山脈に逃れるも、何もかも失う。暗号表を廃棄させてしまったものだから終戦の指令も届かず。師団長はラジオで終戦を知るがプロパガンダを恐れ兵に知らせず。新京(今の長春)から航空機を飛ばし、ビラをまきようやく終戦を知った時には既に2週間を過ぎていた。この間に犠牲になったものも多く、この師団はその上、シベリアに抑留されているのだ。50万人の日本人捕虜を強制労働に使おうとしたソ連は本当に許し難い。ロシアは社会主義が崩壊してからやらずぶったくりの暴力団国家と化しているが、犠牲となった日本兵に謝罪せよ。
 ソ連軍は自動小銃をぶっ放してきた。それに対して、日本陸軍は三八銃にピストル程度だ。かなう訳がない。こういう話を聞いてくると彼らは本当に犬死にだ、としか思えない。死ななくて良いはずの人の命をあたら奪ったのだ。だから戦争にはなんの意味もない。ただただ時の権力の慰みもの以外の何ものでもない。だから戦争なんかに与しちゃいけないんだよ。
 あの人達の犠牲があったから私たちは今この世の反映を享受しているという話をよく聞く。確かに私たちは今、この経済的繁栄を享受している。しかし、あの人達だって、あんな犬死にをする必然性は全くなかったじゃないか。そのまま生きてこの経済的繁栄を享受できたはずだ。あんな具合にとんでもないスローガンを信じ込まされて、とんでもないところまで連れて行かれて、挙げ句の果てに放り出されての犬死にだ。あの戦争で日本の兵隊で犠牲になった人の多くは貧弱な武器を持たされ、貧弱な兵站体制のゆえに死んだ。そんなものは「精神力で立ち向かう」なんてことで凌駕できる訳がない。それでも「こんな戦いは無意味だよ」といったら「非国民」といわれてしまっただろう。少年達は心底神国日本のために闘わなくてはならないとまなじりを決していた。良いように欺されてしまったのだ。それだのに、まだ「ならばわがこの祖国が土足で踏みにじられても貴様は闘わないとでもいうのか!」という論調は盛んだ。わが祖国に土足で踏みにじる奴がいると思うということはそれに値する、つまりそんな行為を正当化させてしまう原因をわが祖国が作ることになってしまうということではないかと思うなぁ。
 9.11のテロの時に、ぶっちゃけたことをいうと私は「あんなことやってきちゃっているんだもの、恨みは買っているよなぁ」とまず思った。だから「Kamikaze attack」と表現された時には随分違和感があった。今、イラクで相変わらず米兵がコンスタントに犠牲になっている。あれも犬死にだ。彼らはなんのためにあそこで死んだのかといったら理由がない。サダム・フセインに引導を渡すためにだとしたら、彼はもうとっくにこの世にいない。それなのに何故死ななければならないのか。意味がない。だから戦争には、全く、なんの、意味もないのだ。
 だからこそ、髭の佐藤自民党参議院議員のあの発言はとんでもない発言でその意味はとんでもなく大きい。にもかかわらずマスコミはあれから何も書かない。鳥越俊太郎よ、加藤千洋よ、黙っていて良いのか。
 北海道新聞しか書いていないのかなぁ。

元「ひげ」隊長 佐藤議員の発言波紋 「駆け付け応戦容認」文民統制無視と批判(北海道新聞08/23 08:45)
 元陸上自衛隊イラク先遣隊長の佐藤正久参院議員が、派遣当時、自衛隊を警護していたオランダ軍が攻撃を受ければ、駆け付け、あえて巻き込まれて警護を行う考えだったことを明らかにしたことに対し、弁護士を中心とする市民らが22日、「シビリアンコントロール文民統制)を無視するものだ」と批判する記者会見を開いた。同氏らには公開質問状を送付した。
 質問状の呼び掛け人は弁護士のほか、立正大講師の桂敬一さん、ジャーナリストの斎藤貴男さんら約150人。
 発言は、集団的自衛権を研究する政府の有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が、活動を共にする他国軍が攻撃された場合に駆け付け応戦する「駆け付け警護」を容認する方向で一致した、とするテレビ報道の中でのコメント。「駆け付け警護」は、憲法で禁じた海外での武力行使につながるとして認められていない。
 質問状では、意図的に巻き込まれる行為は「正当防衛・緊急避難の要件を満たさず、自衛隊法に違反するばかりか、憲法9条をないがしろにし、シビリアンコントロールをも無視する許し難い行為」と批判。佐藤氏と、派遣を決めた小泉純一郎前首相に回答を求め、安倍首相には議員辞職を勧告するよう求める要望書を提出した。
 この日の会見で弁護士らは「現場の軍隊が勝手にやったことを追認し、日中戦争の発端となった『柳条湖事件』を思い起こさせる」と指摘した。
 佐藤氏の事務所は「本人だけの話ではなくなっており、対応を協議中」とコメント。防衛省のある制服組は「あまりに軽率な発言」と顔をしかめる。
 軍縮問題に取り組むNPO法人「ピースデポ」の梅林宏道代表は「自衛隊シビリアンコントロールを破る危険な状態に置かれていることが明らかになった」と指摘し、「佐藤氏や周辺の調査を行い、きちんと処分しないと、政府はシビリアンコントロールができないことを証明することになる」と警鐘を鳴らす。

  • 佐藤正久参院議員の発言要旨 「(オランダ軍が攻撃を受ければ)情報収集の名目で現場に駆け付け、あえて巻き込まれる。巻き込まれない限りは(武器使用が可能な)正当防衛、緊急避難の状況はつくり出せない。普通に考えて手を差し伸べるべきだという時は行ったと思う。日本の法律で裁かれるのであれば喜んで裁かれてやろうと」