ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

横川

 週末のイベントに向けて帰京。東京に帰ってきたら霧雨が降り続き、肌寒い。蒸し暑い感じが如何にも東京。
 碓氷峠の旧道をいつものように辿って降りた。峠にさしかかり、カーナビゲーションが「群馬県に入りました」といった途端にそれまで微かに差していた陽射しはぱったりなくなり、霧が湧いてきた。そこから先はず〜っとそんな案配で、東京に着くまで全然変わらなかった。碓氷峠がこの時期の天候にいかに影響があるかを如実に示しているといって良い。
 40年前に東京から長野や新潟へスキーに行った私たちはバスでこの100以上くねくねと曲がる道を登り峠を越えた。信越地方から首都圏を結ぶトラックも観光に出かけるバスも何もかも全部がここを通ったのだということが信じられないような気持ちだ。そんなに昔のことではなかったような気がするけれど、確かに昔のことのようだ。あの後有料のバイパスができ、高速道路ができてバイパスはただで通れるようになった。何を好きこのんでくねくね旧道を上り下りする輩がいるのかといわれているほど、車は通らない。
 旧信越本線アプト式路線のめがね橋も久しぶりに写真に撮ることができたついでに、横川まで降りてきて「碓氷峠鉄道文化むら」にも立ち寄る。前から何輛もの電気機関車や作業車、客車が並んでいるのを横目で見ていたので一度は立ち寄ってみなくてはならないと思っていた。面白い車両が勇ましく、勇躍泰然として並んでいるのはなんだかウキウキする。しかし、近くまでいって大変にがっかりしたのは、寝台車にしても、戦後の食堂車にしても中に入れないどころか、中を見ることもできないのだ。折角ここに並べるのであれば、ガラス窓の向こうから見るだけでも良いから再現しておいて欲しいという気がする。そして構内に流れている今風の音楽が誠にこの公園にはふさわしくない。気分ぶちこわしである。どちらかというと「トロッコ列車」や「アプト君」というデモ列車を楽しんでいるのはおおむね幼稚園児から小学校低学年であることを考えると、ますますふさわしくない。
 降り止まない霧雨の中、屋根だけがある、誰もいない売店の前の椅子に座ってスーパーの「つるや」で買ってきた一個59円のおにぎりと変わり巻き寿司を昼飯に食べた。中軽井沢の「つるや」は昨年に比べると売り場が驚くほどに変わっていて、種類、チーズ、総菜のコーナーが以前の比較にならないほどに広がっていた。
 松井田から高速に乗り、一気に帰京する。今年は小諸の北国街道をうろつく時間を作らなかった。来年は六合村にも足を伸ばしたいと思った。それにしても一体いつまでこうして夏の長野旅行ができることだろうか。