ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

お風呂は菱野温泉

  昨日は夜8時過ぎに寝てしまい、目が覚めたのは午前2時頃。それでもほぼ6時間寝ており、連日一度も目が覚めずに5-6時間以上寝ている。大したものだ。パソコンに取り付いて朝飯代わりのパンを食べてから、また寝てしまったのだからよっぽど眠かったのか。
 今日は朝から菱野温泉・常盤館の大変に見晴らしの良いお風呂に行く。数年前に初めて連れて行ってもらってから、この景観と直径2mはあるという大きな樽の掛け流しの露天風呂が気持ち良くて、やっぱり毎年入りにきている。不思議なことにこの種の日帰り温泉の入場料はどこもほとんど値上がりしていない。ここは民間のお風呂だから割高だけれどずっと千円。しかし、この景色を一度見てしまったら高いとはとてもいえない。この「雲の助」という名前のついたこのお風呂に入るのにはまるでゴルフ場にある様なケーブルカーに乗って行く。看板には登山電車と書いてあるけれど、ま、ケーブルカーでしょう。ないことはないけれど、自家用のこの手の乗り物を備えている旅館は珍しい。
 なんだか昔の星野温泉の太陽の湯を思い出しそうな旅館。時間が昭和のまま止まってしまっているんだけれど、その止まっているところがわれわれ爺婆にはとても居心地が良い。間違っても若いカップルが来るとは思えない。
 今回は随分たくさんの学生の柔道部の合宿が行われている様で、あちこちに柔道着が干してある。そういえば剣道部の面倒を見ている先輩が今ごろの学生は昔と違ってきちんきちんと洗濯をするから臭くないんだといっておられた。確かに剣道部、柔道部といったら汗臭い連中というイメージしかない。今はそんな時代じゃないんだろう。
 常盤館のHPを見ていたら付属施設として「べじたり庵ふわり家」という食べ物屋さんがあると書いてある。昼飯はそれでも良いなと、廻ってみた。たいそうな建物で、随分時間は経っているんだろうけれど、結構金のかかった建物だったのだろうけれど、とにかく古い。出てくるものはお昼ご飯は5-6種類があるだけだった。そりゃそうだろう、12時半頃に入ったのに、お客はわれわれ二人だけだった。
 野菜天丼なるものを注文してみると、蓋なしのどんぶりにご飯の上に海老(野菜天丼なのに?)獅子唐、カボチャ、舞茸、タマネギ、茄子の天ぷらがそのまま乗っかっていて、天つゆがべつに出てきた。たくさんかけたい人、ほんの少しで良い人に対応という訳だろうけれど、これはちょっと違っている様な気がする。天丼なるものはそれぞれの天ぷらをジュッと天つゆにくぐらせて、それをご飯の上に乗っけて、多少の追加天つゆをかけ、蓋をしてご飯の熱で蒸らして出してもらいたい。そうでないと、天つゆがご飯になじまないのだ。なじまないと何が起きるかというと、ご飯の下に溜まる。これがどうも許せない。
 気がつくとこの店の横を走っている道路はチェリー・パーク・ラインという名前(一体いつからこんな洒落たことになったの?)がついていて、ずっとあがって行くと高峰高原に到達するというまるで長野原から野反湖へあがる、あるいは和田峠から美ヶ原にあがる道のようだ。
 この道を小諸からバスでえっちらあがったことがあるのだけれど、あれはもう45-6年も昔のことで、当時ここにあがってくる人はほとんどいなかった。山頂の終点でバスを降りると、なんにもなくて、もちろんそれで何の文句もないが、ただただ見事な眺望が開けているだけだった。かすかな記憶だけれど、旅館に行くのには終点から山をやや下った様な気がする。温泉は脱衣所は男女に別れていたけれど、湯船は混浴であれあれと思った記憶があるけれど、他に誰か宿泊客がいた記憶がない。
 ところが今回急な坂道をくねくねとタイヤのブラックマークが残る路面を見ながらあがってみると、大変に立派なホテルが建っていて、そこにもお湯があるらしい。しかし昔の宿はそれはそれでランプの宿高峰温泉として残っているらしい。入ってみないからよくわからない。
 駐車場に車を止めると、それはそれは雄大な景色が待っていた。なにしろ標高1970mとかいうのだから、一気に1000mほどあがってきちゃったんだからそりゃ素晴らしい上に涼しい。
 そこの駐車場に荷物満載の徳島ナンバーのワンボックスが停まっていて、おじさんだかおばさんだかが長靴にヘルメットという格好なんである。どういうことなのか飲み込めない。多分この人たちはこの車であちこち旅をしているんだろう。近頃こんな旅行者が良くいる。そのまま車の中で寝てしまうらしい。そして今や銭湯は減少の一途であるけれど、地方に行くと日帰り温泉は数知れないから結構やっていけそうだ。そういえばかつてそんな生活に憧れたことがあったっけと思い出す。
 ここから地蔵峠、湯ノ丸へハイキングが盛んな様子でそんな人たちのための洒落たビジターセンターができている。米国のナショナルパークのヴィジターセンターとは違ってNPOかなんかが運営しているらしくて、きれいなトイレがあるのだけれど、ドネーションの箱がおかれている。小さなショップとカフェがあって、どうやら靴やスティックのレンタルまでやっているらしい。ここまで来てやおら歩いてみようと思う人がいるんだろうか。ここでも目立つのは高齢者の山爺婆である。今やこの種の趣味は大流行りで、各地のアウトドアーショップはそんな高齢者相手に売れている。お盆休みの山の事故ニュースを聞いていると報じられる遭難者に占める高齢者の率は驚くほど高い。こんな爺がいうのは憚られるけれど、みんな驚く様な格好をしている。何も自分だけが地味な格好している必要はなさそうだなと思う。
 ビジターセンターで「浅間スタークロスウォーク」というチラシを見たらこの土曜日の夜6時から日曜日の朝5時までの間、この道路を閉鎖して、小諸からこの山を越えて向こう側、つま恋村の田代湖の近くまで31kmを歩くというイベントがあるのだそうだ。毎回参加者1000名で閉め切るのだそうだ。(ところでこれってみんな帰りはどうするんだろう?また歩く?)
 夕方はせっかく来たんだからと西武がやっている軽井沢アウトレットに繰り出す。また建物が増えていて、もはやまったくかつてあったゴルフ練習場やショートコース、ホテルのゴルフ場なんぞそのかけらも見いだせない。若い二人連れ、若い家族連れ、楽しそうな爺婆が一杯。子どもの服売場がやたら目につくのは爺婆の財布狙いだろうなぁ。
 何か掘り出し物はないかと探すが、ない。鞄は重い・高い。シャツは腹が邪魔で着られない。帽子は若者向けばかりで、爺さんがかぶると痛々しい。マグカップを手にすると半額になっても1800円もして、それならカインズホームでいいやという結論になる。世の中の標準体型でないとなかなか相手にはしてもらえない。ちびデブ対象のファッションというのがあっても良いじゃないか!
 新しくできたフードコートでだべる。ここのフードコートはでかい。これでもお盆の最盛期になったら席を見つけにくいのだそうだから驚く。多分何十年ぶりかで外でカレーを食べる。カレーは家で作るものだと思っている。できるまでの過程が私にとってのカレーなのかもしれない。ふと気がつくと昨日は昼も夜も蕎麦で、今日は一度も蕎麦を食していない。
 帰ってきてあっという間に寝てしまう。多分やっぱり夜の8時頃だ。気がついたら午前2時で昨日とまったく同じ。