金融危機直撃のアイスランド、首相が辞意 5月に総選挙
金融危機が直撃しているアイスランドのホルデ首相は23日、辞任して5月に総選挙を行う考えを明らかにした。同国では首相の責任を追及するデモが激化していたが、首相は病気を理由にしている。
(中略)
同国では、昨年から毎週末、首相の解任を求めてデモが起きていた。国会が新年の休暇から明けた今月20日からは連日約2000人が集まり、雪の玉を首相の乗る車に投げつけるなど暴徒化した。警官が催涙ガスで応戦し、3日間で約30人が拘束され、警官を含む数人が負傷した。(Asahi.com 2009年1月23日22時40分)
貧すれば鈍するとはこのことかと思わず唸ってしまいそうな話だ。テレビの画面ではそのデモの様子が映し出されていた。なにしろ首相だろうと、なんだろうと市民との間の障壁が殆どといっていいくらいになんの垣根もないアイスランドのことだから、デモで、首相に直談判しようとすればいくらでもできてしまう物理的構造なので、ホルデ首相は車に生卵から雪玉から投げつけられてしまってあわれこの上ない有様。
確か、民主主義、始まりの・・という言葉が頭につくはずの国だったはずだ。今回の世界金融崩壊が引き起こされるまでは世界の金融立国としてその名を馳せ、少しくらいの高い物価なんて「へのカッパ」としていた国民が取るべき態度とはとても思えない始末だ。
アイスランドはそうした変換を取らなかったら未だに欧州のチベットと呼ばれていたのかも知れない。イヤ、それならそれで構わなかったのかも知れない。どこにもそうそうお目に掛かりそうにない自然を売り物にした観光と漁業に徹していれば良かったのかも知れない。今度はそうした道に戻るのだろうか。その前にロシアに買い取られてしまうのだろうか。