昨日のことだったか、ラジオ深夜便でさだまさしの歌が流れていた。「案山子（かかし）」という歌が流れた。「♪げんきでいるかぁ、まちにはなれたかぁ、ともだちできたかぁ」というやつだ。子どもが家から離れているとこの歌はとても身に沁みる。ましてやなかなか連絡が来ないと親は心配をし続ける。困っていたらどうしようと思う。どんなことをしても金で済むならどうにでもするぞと思う。元気でいてくれれば、もうそれで充分だと思う。だから、「ふりこめ詐欺」に簡単にひっかかっちまう。そんな親の気持ちを逆手にとって金を巻き上げるというやり口には本当に非人間性が見え見えで腹の底から怒りがこみ上げる。
地方から上京して学校に通っていた学部生の卒業に際して、みんなでカラオケに行ったとき、私がこの歌を身につまされながら唄ったら、東北出身の二人が涙ぐんでいた。私も思わず声が詰まった。ますます、許し難い犯罪に鉄槌を下したい思いがつのる。
昨日の昼間に入り口の呼び鈴が鳴る。モニターで見るとお巡りさんの格好をしている。何かと問うと「巡回です」といったようなのだが、上手く聞き取れない。しかも彼は身分証を提示するわけでもない。ここまで世の中がおかしくなっていると彼が本当の巡査なのかも確信がないといえばない。「え〜っと・・・」と逡巡していると彼は「今時間が取れなければ結構です」というのだ。あぁそうですかとモニターを切った。随分冷たい仕打ちをしてしまったのかも知れないが、こうした巡回は今でもやっていることを知った。
夜になって、ポストにビラが入っているのを知った。「振り込め詐欺に気をつけてください！」というチラシだった。
昨年1年間の全国の振り込め詐欺による被害は2万124件、被害額は約276億円に上り、過去最悪だった2004年の年間約284億円を下回ったものの、過去2番目に多かったことが（1月）14日、警察庁のまとめで分かった。
