ほぼ足りてまだ欲 その先

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自転車教室ってやらないの?

 私が小学校の高学年の頃、学校で「自転車教室」というのが開かれた。何しろ持ってこられる人は家から自転車を持ってきなさいといわれ、日頃学校に自転車でいって良いなんてことは考えもしなかったからうれしくてそれは良く覚えている。普段歩いて20分ほどかかって通っていた道は自転車で裏道を行くと10分もかからなかった。
 運動場に石灰の線引きで警察の人がコースを書いて順番にそこを走るということをやった。多分そのあとで警察の人が様々な場合の注意を話してくれたんだろうと思う。私が覚えているのはただそれだけだ。だから意味がなかったかといえば同だろう。当時、表通りを自転車で走るのは怖かった。だから私たちは裏通りを走っていた。それでもほとんど人とすれ違わないくらいの田舎だった。
 今日は昼飯を食いにいこうかと家からほど近いところの幅が2mもない歩道を歩いていると、角から3-4人の小学校高学年とおぼしき男の子が自転車に乗ってひょいと出てきた。私を見て後ろに年下の少年を乗せた一台がかろうじて私を避けて脇に止まった。その後ろから来た小学生が私の後ろでけたたましく「ちりん!ちりん!」と鳴らした。あたかも文句を付けるような雰囲気だ。だから振り返ってその少年に「何です?」といったら彼が「危ない!」という。「危ないのはこっちのいうセリフだよ。歩く人を避けなさい!」というと逃げるように先を急ぐ。留めてもっと説教をしなくちゃいけなかった。奴らは信号を無視して交差点を渡っていった。私は彼らを放ったらかした。
 その交差点を左折して同じように歩道を行くと向かいから自転車三台を連ねたお母さんと娘たちが来た。うちの連れ合いに娘の一台がつっかかる。「止まりなさい!」というと止まったけれど、母親が小さな声で「すみません」というがその小学校低学年とおぼしき娘には何のことかわかっていない。押しとどめて説教をするべきだった。私はまたも放ったらかした。つまり市民としての義務を怠ったのだ。
 何が問題かというと、自転車は原則的には車道を走るべき乗り物なんだということをほとんどの子どもは知らないということだ。歩道を歩く人は自転車のために道をあけるべきなんだという考えを持っているらしいということだ。これは教えないとわからないことだろう。でも誰も教えてはいないということだろう。こうして見ていると高齢者と自転車の衝突事故が多い、というのがわかるような気がする。うろうろしてんじゃねぇんだよ、という意識のもとに歩道を明かりもつけずに走っているというのが自転車利用者の平均像になってしまったのかもしれない。
 いわゆる自転車愛好家の人たちはもちろんそんなことは良く知っていて、自転車の走り方については法的根拠も理解し、歩行者を優先的に走っているのはよく知っている。しかし、そうした人たちは多分自転車を利用している人たちの中ではマイノリティーに違いない。そしてマジョリティーについては行政も公安も何もしないで放りっぱなしにしているといっても良い状態だ。春や秋に交通安全週間なんていうのがあるけれど、あれは大きな交差点の角に町会がテントを張って交代で交差点を見ているだけのような気がするといったらどやしつけられちゃうのだろうか。
 次こそ止めて説教をしよう。いや、包丁で刺されるといやだからやめておこうか・・・・。