ほぼ足りてまだ欲 その先

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カダフィ@国連

 リビアカダフィが初めて国連に出席してオバマ米国大統領の次に演壇に登壇。1時間40分にわたる大演説をしたそうだ。

  • 国連憲章の前文に大小各国の同権をうたっているから、国連に加盟したのだ(2009年9月24日00時52分 読売新聞)」
  • 安全保障理事会常任理事国だけに拒否権があることなどを批判し、「安保理はテロ理事会と呼ぶべきだ」と主張した。また、国連憲章の冊子を読み上げながら、憲章の精神が守られていないと冊子を放り投げる(毎日新聞 2009年9月24日 東京朝刊)
  • 「国連が認めている武力行使は世界の平和にとって脅威になる場合に限られるのに、過去の世界の戦争のほとんどは1カ国か数カ国のために行われ、国連はそれを止めることもチェックすることもできなかった」と、安保理の機能に不満を示した。(毎日新聞 2009年9月24日 1時20分)

 カダフィはどこに行くにも砂漠の民の生活を示すためにテントを張ってきたらしい。今回は不動産王のトランプの家の庭にテントを張ったらしく、地域住民から大反対をされたという。
 彼は米国の戦闘機を撃ち落とし、米国から完膚無きまでに経済封鎖をされて国土は疲弊し、パンナム機爆破の犯人を差し出して全面降伏していたのだとばかり思っていた。それにしてはいつまでも引退をいわないし、観光旅行客に公開された国内には相変わらず緑の旗と彼を大きく描いた看板だらけの様子にどんなスタンスに立っているのか訝っていた。
 日本の新聞の論調はあたかもアフリカの訳のわからないトンデモ指導者がまたわけのわからんことをいっているという論調だけれども、彼はまだまだ主張をやめるつもりはなさそうだけれど、リビア国内に対する緑の革命40周年を期しての彼のデモンストレーションであることは間違いがない。
 近頃ツアーでリビア国内に入った人たちの公開された写真を見ると、産油国であるリビアの子どもたちの様子ひとつを見ても30年前に比べるとなんだか1つも良くなっているような気がしない。むしろみすぼらしくなっているように見えなくもない。首都であるトリポリでは嘘のような高層ビルが建っているらしいが、全般的に街中が良くなっているようにも見られない。
 しかし、観光客が入っていけるというだけでも当時に比べると国を開いたんだなぁという感慨はあるし、当時の欧米各国による抑圧への反動的な外国人に対する態度からは想像ができない位に良くなった様子はうかがえる。
 カダフィが国連で主張したことは間違ってはいない。そもそも加盟各国は平等に扱われなくてはならないはずなのに、拒否権を持っている数カ国が牛耳っている姿はあまりにも理不尽だ。しかし、United Nationそれ自体が構成された経緯をさかのぼって考えてみる必要がある。わが国も、そしてリビアもそうだけれど、連合国および旧連合国に対して喧嘩を売ってきた国の扱いは確かに差別されている。実際には決別してやっていければいいのだけれど、わが国も、リビアもそうはできないという点では同じだ。
 なにしろ北朝鮮ととても仲の良いカダフィだったのだからこのままでは終わらないことを決意したのだろうか。
 リビアへの観光ビザの取得は個人旅行では許可にならないらしいし、団体旅行での入国でも今でもパスポートのアラビア語訳添付は必須になっているのだそうだ。
 私は万が一、招待されたとしてももう二度とあの国に足を踏み入れる気はない。あんな理不尽で傲慢なビューロクラシーを振り回す文化は容認できない。それがいくらかつての理不尽な欧米各国の扱いに対する反動だったとしても。
 しかし、こういう気持ちが米国のネオコンが各国に対して抱くあの意識と根が同じ、ということになってしまうだろうか。